第11話 コロナ禍の強面マン

世界がコロナ禍に突入した時、意を決してけっこうな借金を抱えることにした強面マン。


経費削減のため、人員削減

ではなく、ご自宅をお引越し。


家が少し狭くなり、「お父さんはベランダね」と、愛息子。


その日から強面マンは、自宅ベランダにカーキ色(多分…)のテントを張って仕事も一服もテントの中です。


テントの中は何が不便かというと、ちょっと暗い、ちょっと狭い、ちょっと油断すると強面マンの一服がテントに当たって焦げ臭い、です。


一服がテントの側面にジュッ、ジュッと当たる度、ご近所にはなんだか香ばしい匂いが漂っていたことでしょうね。


…火事にならずに済んでよかった。。。


コロナ禍が長くなるにつれ、強面マンのテント内は、細い光の線が美しく差し込む幻想的な空間になっていくのでした。


強面マン、今は事務所で安心安全、広々とお仕事しています。





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