第8+9話 メリークリスマス
//SE 車が停まる音
//SE 車から降りる音
「おおっ!! かっこいい車だなぁ!!」
「え? いや、全然いいじゃないかレンタカーで」
「まだ社会人1年目なんだし、ちゃんと貯金しておいた方がいいぞ? お姉さんはこのかっこいいレンタカーで十分満足だ。あたしの軽トラでも良かったけど……やっぱりせっかくのキミとの街へのお出かけだしな」
「ま、まぁ……と、特になにか特別なってことじゃないけど……い、一応世間はクリスマスだし……こういうかっこいい車の方がいいよね!」
「ん? あたしの恰好?」
「いつもと違うって? えへへっ、そりゃあ今日はキミとでかける……じゃない、ま、街に行くんだしちょっとはおしゃれしなくっちゃね! ほらっ、このヒールいいでしょ?」
//SE ヒールの音
//SE 車に乗る音
//SE エンジンの音
「それじゃあ出発~~~!!」
♦ ♦ ♦
「はぇえ~~、最近のショッピングモールはすごいんだねぇ……。あんまり来ないから知らなかったよ。それにしても……」
「カップル……多くない? 他に行くところはないのか!? まぁ、ないか……こんな田舎じゃ……」
「あ~~あ~~、あんなに仲良さそうに手ぇ繋いじゃってぇ!! 見せつけてくれるじゃないかぁ、なぁ!」 /同意を求める
「えっ……あ、な、何?」
「え!? 手繋ごうって!?」
「い、嫌じゃない……けど」 /動揺した様子で
「じゃあ……」
//SE そっと手をつなぐ
//SE ヒールで歩く音
「………………」 /緊張した様子で
//SE ヒールで歩く音
♦ ♦ ♦
「この服、可愛い」
「えへへっ、たまにはショッピングもいいなぁ。まぁ、見てるだけだけど……って、あ! ね、ねぇあれ見てあれ」
//SE ヒールで走る音
「こんなの売ってるんだぁ……へぇ」 /欲しそうに
「え? 別にほ、欲しそうになんてしてないもん!」
「えっ……似合いそうだって? ……でもなぁ。これってあたしが着たら変じゃないか? こういうのって仮装用の服でしょ? それにアラサーの女がこんな格好をするのもなぁ……」
「なるほど、パジャマとしてなら使えるか。……う~~ん」/じっくり考える
「あたしがこれ着てるとこ……み、見たいかぁ?」
「よしっ、じゃあお姉さんこれ……買っちゃおう!!」
//SE 商品購入の効果音
「…………ふぅ、結局いきおいで買ってしまった。まぁ、でも可愛かったし良しとしよう! で、次はどこに行く?」
「え? あ、あたし? あたしは特に行きたいところは……あっ、でもあれ食べてみたいかも! パンケーキ」
「そっ、この前テレビで見ておいしそうだなって思ってたんだよね」
「……え!? パンケーキを食べたいって可愛くお願いしてくれって!? な、なんでそんなことしなくちゃいけないの!!」
「う~~、わ、分かったよ……せっかく街に来たんだしパンケーキ食べたいし……や、やるよ、やればいいんでしょ!」
「………………」 /恥ずかしそうに
「パンケーキ……食べたぁい♪」
「ニホンミツバチさんが作ったぁ、甘い甘~~い蜂蜜たっぷしのパンケーキが食べたぁい♥」
「え? そういうパンケーキはないの? えぇ~~、やだやだぁ!! 食べたい食べたぁ~~いぃ!!」
//SE 足踏みする音
「ちょ!! ひ、ひかないでよ!! やれって言ったからやったんだぞ? ……まったく、もう。」
♦ ♦ ♦
「ふぅ……ご馳走様~~。おなかいっぱいだぁ♪」
「いやぁ、結局おいしそうだったからチキン買ってきちゃったけど……買ってきて良かったね。いやぁ、おいしかった」
「そう言えば年末年始はどうするの? やっぱ実家に帰っちゃう?」
「えっ、そ、そっか!! そうだよね。研修中に実家に帰れてたんなら年末年始は別にいいってことね。いやぁ、都会っ子はいいね!」 /嬉しそうに
「え? あたし? あたしはもちろん帰らないさ。年末年始もニホンミツバチさん達が心配だからね」
「ふふっ、じゃあ年末年始はずっとうちにいられるね」
//SE 紙袋を渡す音
「え? なにこれ……」
「ぷ、プレゼント!? あ、あたしに?」
「あ、ありがとう……わぁ、何だろう?」
//SE 袋をほどいて箱を開ける音
「うわぁ、綺麗なネックレス……こ、こんなのもらっていいのか? 高かったんじゃない?」
「あ、ありがとう。大切にするね! そうだっ、じゃああたしも準備してたプレゼント渡しちゃおっかな?」
//SE 机から離れる音
//SE 戻って来た音
「じゃ~~ん!! 見てこれっ! ニホンミツバチさん柄のストール! あったかいよ?」
//SE ストールをかける音
「どう? あったかいっしょ? 今、こういうの流行ってるみたいだから頑張ってつくってみたんだ!」 /誇らしげに
「ん? なになに?」
「こらっ!! ちゃんちゃんこみたいっていうな! ……た、確かにあのちゃんちゃんこに似てるけど……これはニホンミツバチさん柄なんだからね!」
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