7・7星 時空空間

京極 道真  

第1話 7.7

今日は7・7七夕だ。時空空間。夜空。風呂上がり屋上に出る。風がスーッと吹いた。『気持ちいなあー。」頭を真上に上げ冷えたビールを握りしめる。星は見える。流れ星は、まあ、そんな都合よく、見えないか。えっ?一瞬大きく空が光。星が流れる。「見えた。」まさかのラッキー。”見てしまった。”グイっとビールを飲み込む。流れ星みたんだ。何かいいことでも起きないかな。僕はアルミの長椅子に腰掛けた。片手で持っていたビールの缶を目の前のテーブルに置く。両手を長椅子につけ、僕はまた、真上を見た。もう、見えないよな。2回続けて。僕は欲張りになる。人間の本能だ。一つクリアすると、すぐに次のものが欲しくなる。人間は欲深い。流れ星1個見れただけですごいじゃないか。多分見たことのない奴は言う。しかし、見たことのある奴は、きっとこう自慢してくる。「僕なんか100回ぐらい見たことあるぞ。」と。人間は必ず他人と比較したがる。悲しき生命体である。僕も、いや、僕は違うぞ。「本当にそうかい?」「そうだ。僕は他人に興味がない。僕は僕の中で完結している。」「へえー意外と進化系の人間なんだな。」「そうだ。僕は向きを変えて、」真正面に座っている物体、人?に気づいた。「君は誰?」「僕?僕は君が呼んだ、空の星人だよ。さっきの流れ星でここに来た。」「さっきの流れ星?」「そうだよ。君が呼んだから来てあげたのにさ。」「僕がね。君をよ・ん・だ?」「そうだ。その通り。」「で、君は星人?差し当たって流れ星に乗ってきたから宇宙人?」「まあ、呼び名はどうでもいいよ。別に僕は気にしない。ここは?この星は?名前は?」「ここは地球。」「地球か、ヘンテコな名前だな。待てよ地球か。名前の変更は?」「失礼な奴だな。地球は前からずっと地球だよ。」「失礼とは、どっちが失礼だ。勝手に僕のことを呼んでおきながら。この星の教育はどうなっているのか?野蛮な星に来てしまった。しかし、待てよ僕が選んで、君の呼び声に勝手に答えて来ただけだ。僕自身の責任でもある。君を責めるのは、よすよ。僕は、争いを好まない。」ビール1缶飲んだだけだ。目の前のこの物体、人物は本当に宇宙人なのか?それとも僕は、気づかない間に酔ってしまったのか?これは夢?「君は酔ってないよ。」「どうして僕の脳内の考えに君が答えるのか?やめてくれ。脳内不法侵入だ。」「だって、宇宙では会話に口、音は使わない。脳内での会話が主流だよ。僕の記憶じゃ、この星も前の文明が、存在していた時は、そうだった気がするがな。違ったかな?」「前の文明?」「そう、僕は時間を自由に渡り歩くことができる星人だ。今、思い出したよ。この星、この星の匂い。緑と土と水と海の匂い。この星は、変わらず豊かな星だ。以前は、なんていってたっけ、”MA”って言ってた気がする。そうだ。MAがこの星の名前だ。僕は目の前の星人が夢ではないことを確かめたく、目の前の星人のほっぺたをつねった。「痛い。何するんだ。MA人め。」「僕はMA人じゃない。ここは地球だ。僕は地球人だ。」「ところで君の名前は?」僕は改めて、これは夢ではないことを確認した。目の前のヘンテコな星人に「僕の名前はジョン。」「ジョンか。僕はイル。しばらく、ジョン、この星、地球にいることにするよ。」「えっー。」


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