雨粒
空気中の水素分子たちが
冷やされ、集まり、
小さな氷になる
氷は重力に則って落ちていく
追っ掛け
温度に溶かされ
空気を吸い
大気中の塵をまといながら
とっ、と
雨傘に当たったあと
流れ落ちることも出来ず
どうにか一緒に落ちた子達と
地面まで降りていく
排水溝を流れる水と一体となり
人間の生活と混じり合いながら
自分の体積がどこまでも
どこまでも広がるような
不安と喜び
やがて体積が
地球の7割を占めたのは
刹那の夢
空へ帰る時間です。
体を際限なくちぎられ
ひとりぼっちの寒さ
ひとりぼっちで、
上へ 上へ
そして再び氷になり
重力に則って落ちていく
わたしは
誰かに雨を知らせた
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