第19話帆南の救出
海斗はスマホを耳に当てながら、土手を滑る様に下へと降りて行った。海斗が西組に向かう道を走って行くと、二人の大人の人影が見えた。海斗は応援を頼みたくて真っ直ぐその人影に近寄って走って行く。人影が大きくはっきりと見えて来た。良く見ると見覚えのある顔。お互いを見てハッとする二人。
人影は早葉のお爺ちゃん大地だった。大地が井上のお爺ちゃんと二人で歩いていたのだった。
「ゴホン。ゴホン。ゲホッ。ゴンゴン。ハーハーッ。クシュん。ゼー」
立って居るのもままなら無い体は体力も気力も限界だった。動け無い体に鞭打って居た。ただ、救いたいと言う想いだけで海斗は体を前に進めて居た。そこへ希望と言う確かな者が確かにそこには居たのだ。
「早葉君のお爺ちゃん」
海斗は言い、
「海斗君じゃないか。どうしてここに……?⁈」
大地もまた、海斗に呼び掛けた。
「早葉君のゲホンゴホン」
海斗の咳と顔色などから症状の重さが分かり知れる。
「海斗君。大丈夫なのか。こんな側に居る場合じゃ無い。病院へ行った方がいい」
大地は心配して言った。
「お爺ちゃん。ゴホン。帆南ちゃんとゲホン。帆ゴホッ。南ちゃんゴンゴン。のお婆ちゃんゲホッ。がまだゴンゴン。家にゲホン。居るゴホンんだ。ゴンゴホン」
何とか海斗は大地に訴える。
「帆南ちゃんと婆ちゃんが家にいるって言うのか。直ぐに助けに行かないと間に合わ無いな。何処なんだ」
大地が聞く。
「こっちです。ゴホン。ゴホ」
咳をして居る海斗は急いで場所を教えようとする。三人は急いで帆南ちゃんの家へ向かった。
📱「海斗。海斗。返事をしてくれ」
早葉は祈る様に話し掛ける。
📱「悪い。ゲホン。早葉のゲホン。お爺ちゃゴホゴホン。と、会えた。ゴホン。だから、安心ゲホゴンゴン。してくれゴホゴホ」
海斗は言ったのだ。
📱「大地爺ちゃんがそこに居るのか」
早葉が聞いた。
📱「ああ。ゴホン。そうだよ。ゲホン」
海斗は答えた。
📱「それなら、大地爺ちゃんに任せてお前は病院に行くんだ。良いな海斗」
早葉はあくまでも心配して言った。
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