第7話雄山羊の角が板の壁にスッポリ食い込んでいる。
銚子。
大地と二人で井上は孫の居る高台に上がって居た。
一方で岩爺。椛婆。音葉は加瀬家の牧場に向かって居た。その途中で鈴木海斗に会った。
「音葉ちゃん。ここに居たんだ。探したんだよ」
海斗は後ろから声を掛けて来た。
「あっ、海斗君。来てくれたの」
今度は音葉が言った。どうも
「私達ね。加瀬君の牧場に行くのよ」
音葉は話をした。海斗も加わり牧場に向かった。牧場に着くと、酷い事になって居た。牛舎は吹き飛ばされて居て、家も屋根が吹き飛ばされ、その残物が瓦礫と倒れた柱や割れてしまった板の壁。みんなみんなぐちゃぐちゃに崩れていた。岩爺ちゃんは加瀬のお爺ちゃんを探した。もう、先に逃げたのか、辺りには誰もいなかった。居る様子が無い。
「おーい。わしじゃ。居るんなら返事をしてくれー」
岩爺ちゃんは呼び掛けた。声に気付いた加瀬の爺ちゃんは、
「こっちだ。ここに居る。手伝ってくれ」
言って、手を振って存在を示す。加瀬の爺ちゃんは山羊小屋の方に居た。山羊小屋の方を見ると、小屋は強風で押し潰されていた。潰れた小屋を持ち上げていたのだ。
側まで、行ってみると、中に入っていた山羊の小屋が横倒しになって居た。ヤー達のパパ山羊である雄山羊の角が板の壁にスッポリ食い込んでいて暴れ取ろうとしていた。雌山羊は丸まって横倒しになっている山羊の家に入ったままでいた。そこに一緒にヤーメーローの三匹が雌山羊の横でちょこんとしていた。皆んなは山羊達を助けようと潰され壊れ崩れてしまって横倒しになって居る小屋を一つ一つ取り除きに躍起になっている。
先ずはママ山羊が出され、ヤーメーローも出された。ボーロも出されたがパパ山羊は今だに角が板壁に引っ掛かり取れずにいた。ドタバタして必死に角を取ろうとして取れずにいるパパ山羊。
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