第2話 リアルなダンジョン2
ダンジョン前は受付と思われる場所に店舗、屋根とたくさんの机と椅子があった。
なんていうか、イベント会場の休憩スペースとグッズ購入ブースみたいだなと思いつつ、サービスカウンターを見つけたので寄ってみることにした。
ゲーム時代では拠点からダンジョンという流れが基本だったので、ここら辺はリアルになって変わったんだなとまだ軽く考えていた。
軽く話を聞くことで分かったことは3つ。
1、ダンジョンに入る前に身分証もしくは冒険者資格証の提示が必要。
2、武器の携帯は冒険者資格証の提示が無いと銃刀法でふっつーに捕まること。しかも毎年捕まるやつが居るとか。
3、ダンジョンから帰る際は拾得物の確認が必要。
これは簡単に言うと、ダンジョンで入手したアイテム類は安全性の確認されていない物もあるため一部は検査のために預けないといけなかったりするとか。
一応装備は必須ではないようだけど……周りを見ても普段着は少数といったところだろうか。
まあここら辺は軽くコミュニティに書き込んでおく。
ステータス云々はそういった文言も見当たらなかったし、それとなく強さを測れたら……と振ってみたが全然そういうのはないようだ。
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ウエダ:ステータス確認とかは確認出来なかった。装備については金属バットに虫網から解体用のハンマーやら個性が凄かったよ。
ハカセ:こちらでもステータスについて調べてみたが、オカルト扱いの根拠が怪しいものしか見つけられなかった。
柏持ち:投稿された動画を漁る限り、3階くらいまでは家にある物で何とかなってしまうことから、そういうカオスが生まれてるみたい(笑)
まあデカイバッタとかキショいけど1対1で負ける奴は今んとこ居ないね。
タクミ:ダンジョンで馬鹿でかいネズミやら手のひらよりデカイコウモリとかリアルで見るとエグいわ。[写真][写真]
ハカセ:ぱっと見だが翼長20センチはあるな。ネズミは……一般的な猫よりも大きいようだが、群れる本能のままなら恐ろしいな。
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皆が活発に動いて続々と新着が着いている。
なんにせよ、ここまで来ていることだしさっそくダンジョンに潜ってみる。
その前に、1階の簡単な地図と出現モンスターについてはパンフレットが売っていたので購入してパラ見していく。
どうやら、出現モンスターは予想とそこまで変わらないようなので危険性は戦わないで逃げる前提なら丸腰でもそこまで無いようだ。
身分証を提示してダンジョンに入る。
岩をくりぬいたような門を抜けて、少し歩くと日の当たる草原に出た。
どう考えてもあり得ない現象で、見渡す限り広がる草原なんてオフィス街にあるわけも無く、空間がねじ曲がっているという超常現象が起きていることが分かる。
だからこそ、ダンジョン回りの法整備が速やかに行われた要因だとかパンフレットには書いてあった。
歩いて行くと草を食べている小動物型モンスターなどがぽつぽつと居た。
彼らはいわゆるノンアクティブというやつで、こちらから手出しをしなければ積極的に襲ってくることはない。
ゲームの時は倒した際にランダムで落とすドロップアイテムを集める為に倒したこともあるけど……施設もスキルも無い今はリスクしかない。
けれど、入り口から10メートル程度の安全性もある程度確保されている今なら……
全長30センチはある化け物バッタが目の前にいる。
ゲーム内でも見たことはあるが、リアルで見ると相当デカいしめちゃくちゃ嫌だ。たけど、こいつは体の側面、頭の真横あたりが弱点となっている。だから、ゆっくりと近付いて……思いっ切り蹴り飛ばす。
えいっ!
ギィィと悲鳴のような耳障りな音を上げて、バッタが転がっていく。
ゲーム内だとあれで一発なんだけど、流石に無理だったかな。
ただし、この方法の利点は羽根を破損させて飛べなくさせる利点もあるので、追撃のスタンピング!
……リアルで倒したモンスターが煙を出して消えていくのはだいぶシュールだった。
煙の消えた先にはバッタ(30センチ)の後ろ足が一本残っていた。
ゲーム内での使い道は記憶にない。
序盤でしか使わない素材とかありがちだよな……と思いつつ、一応拾っておく。
なお、バッタの足はギザギザとした部分があって鞄には入れたく無かったのでちょっと古くなった安いエコバッグにしまうことにした。
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