第4話「能力訓練」

(う~ん……どうすっかねぇ……)


焔火は教室の自分の席に座り、スマホの画面を見ながら難しい顔を浮かべていた。そんなところにスクールバッグを背負い、パックのオレンジジュースを片手に持った水咲姫が現れる。


「おいっす燈」


「おう……水咲姫……」


「ん?どうしたの?何か元気なくない?」


水咲姫が聞くと焔火はため息を漏らすように答える。


「……実はさ~……今なろうで書いてる小説の話が思い付かなくて悩んでるんだよ……」


「え?あんた小説なんか書いてんの?」


「ああ、中3の春休みからな」


「へぇ~……そうなんだぁ……ちなみに何てタイトル?」


「ピーマンの逆襲」


タイトルを聞いた瞬間に水咲姫は顔をややしかめた。


「な、なにそれ……?どんな内容なの?」


「人間共に残されてゴミ箱に捨てられたピーマン達に自我が芽生え凶悪なモンスターと化して次々と人間共を惨殺していく新感覚スプラッターホラー」


「へ、へぇ~……なんか……凄そう……」


「へへ、自分で言うのもなんだけど滅茶苦茶面白いぜ、今38話まで公開してるから暇な時読んでくだちゃい、そして評価や感想くだちゃい」


「うん、今日家帰ったら読んでみる」


2人でそんな会話をしている内に始業のチャイムが鳴り、教室内に担任の早乙女が入ってきて朝のHRが始まった。


「え~皆さん、今日から授業が始まります、気を引き締めて頑張りましょっい」


「「「は~い」」」


「あ!そうそう………ちなみに今日の4限は"能力訓練"があるけど皆エキサイトしすぎないようにしてくださいね」


(((能力訓練……)))


教室内にいた生徒達はこの言葉を聞き絶妙な表情を浮かべる。ちなみに"能力訓練"とはミュータントが集まるヒノコーならではの特殊なカリキュラムである。具体的にどの様な事をするのかというと各々が持っている超能力の制御訓練である。


「それじゃあそういう事ですので、皆さん良い1日を」


HRが終わり早乙女は教室から出て行った。そしてそれから数時間が経ち、いよいよ能力訓練の時間がやってきた。動きやすい体操着に着替えたA組の生徒達は校舎の外にあるグラウンドに集合していた。そして彼等の目の前には茶髪ポニーテールにグレーのヘソ出しタンクトップ、黒のショートパンツ姿の美人女性教師が立っていた。


「ウフン❤️こ・ん・に・ち・は❤️

私は能力訓練担当の天ケ瀬舞あまがせ まいよ❤️1年間よ・ろ・し・く❤️アハァン……❤️❤️❤️」


「「「ッッッッ!!!!」」」


男子生徒達はゴクリと唾を飲み込み天ケ瀬に釘付けになった。中には下半身がフィーバーしている者もいた。なぜなら彼女はとんでもないボディであったからだ。どうとんでもないかと言うとEカップはありそうなロケットおっぱい(乳首立ってる)にキュッと引き締まったくびれた腰、それに加えて安産型のドスケベデカ尻。もうパーフェクトだ。世界ドスケベ女性コンテストなるものが開催されたとしたら彼女は間違いなく優勝の栄冠を手にするだろう。


(フフフ……見てる見てる……性欲旺盛な10代半ばの野獣少年達が……)


男子達に凝視されていた天ケ瀬は体をゾクゾクと震わせながら非常に興奮していた。そして何かを決意したかの様にタンクトップの下を両手で掴み出した。


「野郎共!!今夜のオカズにしなさい!!」


そう言って彼女は突然着ていたタンクトップを上にまくってロケット乳をプルンッと晒した。するとそれを見た男子生徒達は全員鼻血を吹き出しながら地面に倒れた。


「ちょっ!?先生!?」


「何してるんですか!!??」


「破廉恥極まりないですよ!!」


男子達が興奮していた反面困惑していた女子生徒達。


「ウフフ……ウブな反応可愛いわ~……」


早乙女はとても満足気なセクシーな笑みを浮かべていた。


「……さてと……おふざけはこの辺にして授業始めましょうか……鼻血ブーしてる健全ボーイ達、起きれる?」


「……はい……なんとか……」


「くぅ~……巨乳恐るべし……」


「痴女な事この上なしでござるな……」


その後男子達が無事に起き上がったのを見て天ケ瀬は話を進める。


「え~、それじゃあまず始めに聞きたいんだけど……この中で過去に学校や街中で不本意に能力を暴走させちゃった子っている?」


ここで全員の生徒が手を挙げた。


「やっぱりそうよね~……皆経験あるわよね~……でも安心してちょうだい、今後二度とその様な事が起こらない様に私がマンツーマンで徹底的に力の制御訓練してあげるから」


彼女の発言に焔火が疑問を抱く。


「え?先生マンツーマンって……?」


「?そのままの意味よ?私が1対1であなた達を指導するのよ」


「いや……1対1て無理じゃないですか?僕達20人に対して先生1人ですけど……まさか分身でもするってんですか?」


「ええ、そうよ」


天ケ瀬は20人に分身した。


「「「おお!?」」」


突然増殖した彼女を見た生徒達は皆目を丸くして驚いた。


「フフフ、すごいでしょ?私の能力の1つよ」


(((1つって事はまだ他にも何かあるのか……)))


「さてと、じゃあこれから各員所定の場所に移動してもらってそこで訓練を始めてもらうわ、それじゃあアナタ達、案内お願い」


「「「はいは~い」」」


天ケ瀬(本体)は自分の分身達に指示を出し、各生徒達を各訓練場所へと案内させた。

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