窓辺のひまわり
白菊
あらすじ
あらすじ
夏休みが始まり、悠志は次第に晴人と接するなかで感じる喜びの意味を疑い始める。
探り合いのような会話の中で、晴人は悠志に想い人がいると確信する。その頃、悠志もまた晴人本人の言葉で、自分の晴人への情は恋であると認める。
八月四日、晴人は洋菓子店へ買い物にいく道中、小学生時代の友人、今西に再会する。晴人は彼に同性に好かれたらどう思うか尋ね、今西は晴人の質問の意図を察する。別れ際、今西は自分が応援するのだからきっとうまくいくといい、連絡先は当時から変えていないと伝える。
晴人はメロンが好きな悠志にメロンのケーキを買って帰り、夜、彼の誕生日を祝う。
その後も晴人は悠志と互いの見方が違うように思い悶々とする。
金城もまた、同室の葉山に恋情を抱いていた。悠志と晴人の恋情を見抜いた金城は、ふたりが結ばれるようにと葉山との親しげな写真を送りつける。その写真の内容が激しくなると、葉山は金城に怒りを見せる。金城はあくまでふたりを結びつけるためとしていたが、自身に気持ちを偽れなくなる。
のちに、金城は破れた初恋の相手の少女と再会する。彼女は金城の好意は受け入れたが、彼の優柔不断なところを拒んだ。
また、金城は葉山が読んでいた漫画から、マルティン・ルターの「あす世界が亡びるのだとしても、きょうりんごの木を植える」という言葉と、それを知ったときの考えかたを思い出す。その日、金城は、当時その言葉に希望を見たように、告白すれば自分の恋にも可能性が生まれると自分を励まし、葉山に告白する。一年前に寮で出会った頃から金城を好いていた葉山は、かつて異性に恋をした金城を疑いつつ、自分に告白したのがどういうことか説いたうえで「あのふたりのためとはいわせない」と彼の告白を受け入れる。
その頃、それぞれ同性に恋をしていると打ち明けて尚悶々とした日々を過ごしていた悠志と晴人だったが、悠志は忘れっぽい晴人がかつて漏らした「忘れることを選びたい」という言葉を思い出す。悠志は自分はこの恋を忘れて晴人の恋を応援しなくてはならないとこぼし、そのまま晴人に恋していることを打ち明ける。晴人はどうかその恋を忘れないでくれと悠志を抱擁する。
悠志と心を通わせたが、晴人は悠志を好くあまり、彼に好かれることに自信を持てず、本気で甘えることもできない。
満月の夜、かつて悲しくなるから嫌いだといっていた晴人が、灯りのない部屋の窓辺で瓶にさしたひまわりを愛でている。その姿に魅了され、悠志は晴人に口づけする。
後日、ふたりは遠くに見える海まで出かける。悠志は晴人に問われるまま彼の好きなところをひとつづつ挙げる。結局恥じらって最後まで聞かない晴人だが、彼に好かれることに少し自信を持つ。
唇を合わせるふたり。偶然居合わせそれを見守った今西は、明るく微笑して立ち去る。
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