第23話 しつもん!①

「はーい、と言うことで、質問コーナーしまーす!質問は、まあ適当に目についたものを採用しまーす」


 モンスターと戦うのもいいけど、そんなことよりみんなが気になってる事を答えた方がいい、って咲ちゃんにアドバイスを貰ったから、その通りにしてみる。


《いやさらりと流さないで?》

《何処だよここ!》

《天国かな?》

《CGだよね?もしくは幻だよね?そうだよね!?》

《なんで名無しさんって呼ばれてるんですか?本名はなんですか?》

《お、抜け駆けかー?》


「ん、『なんで名無しさんか』?あー、そうだね。一から説明しようか」


 その方が、得でしょ。多分。


《採用された!やったー!》

《↑かわいいなw》

《そういえば気になるな》

《他の事に気を取られてたけど、確かになんでだ?》

《一からって?》

《記憶喪失的な?》


「えっとね、私、実は人じゃなくてモンスターなんだよね」


《???》

《は???》

《おいおいwそんなまさか……え?》

《まじ??》

《は?》

《え?》

《急に落とした爆弾にしては火力高いな》


「正確に言うと元々は人間で、気がついたらモンスターだったんだよね。転生ってやつ?その影響で名前に関する記憶全部無くなっちゃって」


《さらりと言わないで!?》

《まって……えまって?》

《理解追いついてないんだが》

《追いつかない、の間違えだろ》

《なんでもない様に言わんといて!》

《転生まじ?》

《どゆこと?》

《息をする様に言わないでください…》

《さっきから爆弾落としすぎやって!》


 わあ、凄い速さでコメントが流れてる。そっか、転生とかって馴染みないしないもんとな、普通。


「お、疑いのコメントがちらほら見えるね。あと、なんのモンスターなのかってのも。まあ勿体ぶるもんでもないし、いっきまーす」


 久しぶりの不形定まらぬカタチフォルム。ぱっと見スライムだけど、スライムとは全く違う、水の様な透き通った体。ふふふ、人の姿とはまた違う、安心感みたいなものがあるなぁ。


《ふぁ》

《え、まさかの?》

不形定まらぬカタチなの!?》

《うそでしょ!?》

《最弱モンスターじゃん!》

《おい、まじかよ》

不形定まらぬカタチであの強さは嘘じゃん》


「よっと…うん、私の正体は不形定まらぬカタチだよ!最弱モンスターってのは間違い無いけど、まあ理論上最強モンスターではあるね。なにせ、レベル上限の概念がないからね」


 さらに、私がダンジョンにいた時に証明された『経験値説』…もとい『経験値論』で尋常じゃないくらいレベルが上がるからね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る