第4話 寺桜院タイムズの切り抜き 一枚目
学園七不思議をたずねて:正門横のヤマザクラ
我が校の正門を入ってすぐ左側に、樹齢百年を超えるヤマザクラの大樹があります。毎年の一学期が始まってすぐ、四月中旬にピンクの花を咲き誇らせるこの木も、七不思議の一つに数えられています。それはこんな具合に。
――正門の脇にある桜の大樹に赤い花が咲くと人が死ぬ
歴史ある当学園ですが、この話がいつ頃から流布し始めたのかは不明です。しかし新聞部の過去の記録をたどってみた限りにおいて、ヤマザクラの木に赤い花が咲いたことはありませんし、ましてや誰かが死んだときに何らかの異変があったという話もありませんでした。したがってこの不思議は、何の根拠もない怪談であると考えても良いでしょう。
この春から当学園の仲間入りをした新入生の皆さんも、今後いろんな場面で七不思議に触れることがあると思います。その際には、かつてここで学んだ先輩方の豊かな想像力の産物を楽しんでみてはいかがでしょうか。
(寺桜院タイムズ編集部)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます