第13話 さらなる島旅……いや、島は島でもこの島は……やっぱりでっかいな!?



 今日は、1枚目の東日本パスの最終日だ。


 朝から酒田駅を発車して、まずは乗換駅の村上駅を目指す。昨日と同じ、車窓の日本海が美しい。


 途中、あつみ温泉駅での待ち時間があり、トイレのついでにいろいろと撮影した。この駅はJR東日本の超高級クルーズトレイン、『TRAIN SUITE 四季島』の停車駅なのだ。専用の出入りゲートに四季島のマーク。専用の駅名看板。優遇されてるな、ちくしょ~。やっぱり金か。金なのか。こんな海チカ駅で、温泉もあるというナイスポジション。そりゃ停車駅にも選ばれるだろうな。


 いや、金銭面で乗ることはもちろん、東日本だから見ることもまずない車両だ。駅関係くらい、ばっちり撮影しておきたかった。まさか、これがフラグになるとは、この時は思っていなかったのだ。


 乗り換えの村上駅でも四季島専用の駅名看板を発見し、撮影した。


 右側は日本海、左側は広大な水田地帯。米どころらしい車窓を堪能しながら、次第に都市部へと入り、新潟駅に到着した。


 駅に隣接するぽんしゅ館というところで、魚沼産こしひかりを食べてはみたものの、違いのわからない男にはやはり意味がないという、残念な結果に。下戸だから日本酒は楽しめないし。


 新潟駅は工事中のようで、移動が不便だったが、やはり都会の雰囲気を持つ地方都市。


 バス路線も充実している。明日の港をチェックしてから、歴史博物館に行ってみたが、休館日だった。残念過ぎる。


 いくつかある漫画関係の施設に行ってみようかとも思ったが、旅に出て9日、疲れも溜まっていたのだ。昨日の島旅の強い日差しにやられていたのかもしれない。


 新潟県はこれまで「通過」の都道府県だった。今回、「宿泊」で泊まったことがある、に昇格する。


 とりあえず、ホテルでゆっくりと休むことにした。






 翌朝もゆっくり体力回復。時間ぎりぎりのチェックアウトで、バスセンターへ移動した。バスセンターの近くに、いつもお世話になってる眼鏡屋チェーンの支店があったので、眼鏡の調整もしてもらえた。やはり都会は強い。


 バスで港へ移動して、お昼のカーフェリーに車なしで乗船。乗ってからスナックコーナーで「タレカツ丼」を食べた。新潟名物らしい……。


 その後は2等船室でバックパックを枕にごろんとおやすみなさい。そして、放送で起きたら下船。いやあ、船旅、最高ですわ~。






 ついに、佐渡島に立つ! と同時に歩き出す。今日の宿まで、3キロくらいはある。頑張りどころだ。


 昭和な雰囲気が残る街並みを味わいながら歩き、海と湖を堪能する。途中、能舞台も見学した。さすがは遠流の島。文化が深い。


 辿り着いた高台にある今夜の宿は、廊下の窓から海が、部屋の窓から湖が見える和室。築年数はかなりのものだろうが、雰囲気はとてもいい。


 大浴場は温泉だ。チェックインして、まずは温泉を堪能した。それから荷物整理と洗濯をして、もう一度温泉に入る。いや、気持ちいい。


 ぽかぽかの身体でゆ~っくりと寝て、朝風呂でまた温泉だ。温泉三昧。


 昨日は歩いてきた道を、宿のワゴン車で港まで送ってもらう。


 港では定期観光バスの受付へ。レンタカーで自分で運転するよりもずっと楽なのだ。


 ……まあ、大型バスが走る離島って、本質的に小さな離島とは全然別の物だよな。


 コンビニも、ドラッグストアも、スーパーもある、離島。電動バイクで一周してきた飛島とは規模が違い過ぎる。国内なら沖縄の本島の次にでかい島なんだから、そりゃそうかってもんだ。島旅ではあるものの、飛島とか波照間島とかみたいなそっち系の島旅ではない感じ。橋がかかる前の淡路島とか……いや、それよりも都市的な要素は多いのか……。


 その代わりという訳ではないが、観光的な要素はいっぱいある。だからこそ、定期観光バスも走ってるのだ。


 バスの乗客は、正直、少ない。まあ、10人くらいというところ。それでも仙台のような貸切状態ではないのが救いかもしれない。


 車窓をバスガイドさんの解説で眺めながら、まずは砂金とり体験から。そう。ここは金山の島。同行者はどうも、私よりは年齢層が上らしい。砂金とり体験は早々に疲れたと手を引いて、お土産屋の方へ去って行く。私はひとり、何度も砂をさらって、砂金を集めた。集めた砂金はカードの中の佐渡島の形をしたスペースにラミネートしてもらえる。もちろん、財産にはならないかな? いや、少な過ぎ。


 それから、トキを見た。ケージの中のトキは、まあ、こんなものか、という感じだ。美しい鳥だというのはわかる。ニッポニア・ニッポンなのに、日本産のトキは「キン」を最後に絶滅したというのがとても複雑な気持ちになる。今でも、トキの繁殖と放鳥を努力して続けていて、放鳥された野生のトキが見られる可能性もあるとバスガイドさんが教えてくれた。


 一度港に戻って、午前だけの乗客が降り、午後からの乗客が加わる。


 人形が伝説を語る施設で佐渡島の歴史を学び、そこで海鮮丼を頂く。どこまでが佐渡島の素材なのかは判別できないが、やっぱり魚介類はハンパなく美味しい……。

https://discordapp.com/channels/1211498324264357888/1211896655184400425/1259554235725512725


 酒造にも行ったが、下戸の私に出番はない。試飲もできるんだが、もちろん、飲みません。ノンアルコール人生なり。


 博物館ではとうみを回した。米の選別をする江戸時代ぐらいからの農具だ。あとはここもやっぱりジオパーク的な感じの学びがあった。もちろん、歴史も。


 それから金山関係へ。ある意味で、これこそ、ここのメインとも言える。


 まずは北沢浮遊選鉱場。バスの中からチラ見した時点で大興奮でしたよ! まるでマチュピチュ!(あくまでも個人の感想です)。シックナーなんてまるでローマ!(あ~く~ま~で~も、個人の感想ですから)。写真、撮りまくりでした。


 そして、佐渡金山の宗太夫坑に突入した。暗がりの中に時々、人(人形ですね)がいるという、ある意味でお化け屋敷的な状態……。金ピカな入場券もなかなか味がある。まあ、山が割れるまで金を掘ったとか聞かされたら、人間って欲深いよな、とマジで思う。


 港へ戻る道中で、放鳥されたトキを発見したバスガイドさんが「あちらをご覧ください」をやってくれたんだが、距離があり過ぎて、なんか、鳥っぽいのがいるな、ぐらいの状態。タブレットのカメラモードで拡大して、あ、確かにトキだ……って感じでした。


 港でバスを降りたら、エレベーターで展望台へ。


 両津は、日本海と加茂湖、両方に港があるから両津なんだよな。


 帰りのフェリーは最終便。ごろりと横になってひと眠り。


 新潟に着いたらバスで駅の方に戻って、ホテルにレイトチェックイン。明日も早い時間に出発なので、余計なことはせず、すぐに寝ました。


 佐渡島。島旅なんだが、島旅とはちょっと違う。そんな島旅でした。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る