第11話 乗り放題だと乗れるとこまで乗りたくなるよな、とか、廃線跡とか行き止まりの終点とかっていいよねって思う



 大曲を始発で出発して秋田でホテルに荷物を預けて、ダッシュで駅に戻る。目指すは弘前。


 え? それ、秋田じゃねーだろ? いや、そうなんだが……でも、7日間も乗り放題の切符だし? 行けるとこまで行きたいよね? だって秋田発で弘前行きなんだよ?


 秋田駅のホームへの通路に掲示されてる特急のテールマークに後ろ髪を引かれつつ、弘前行きに飛び乗った。


 奥羽本線は別に初めてという訳ではない。寝台特急の「日本海」と「あけぼの」で上りも下りも経験している。


 それでも気になるポイントはあるのだ。


 まずは駅名が人名っぽい駅の代表格である「井川さくら」駅。鉄道むすめっぽいが、鉄道むすめは井川ちしろ。これは大井川鉄道なので、この駅とは関係なし。「井川さくら」駅はあくまでも人名っぽい駅の代表格である。ただし、降りない。車内から駅名看板の撮影のみ。


 それから、やっぱり八郎潟。これはかつて「日本海」の車窓からも見たが、やっぱりすごい干拓地だ。日本で琵琶湖の次に大きかった湖がひとつ、陸に変わったのだ。凄すぎるだろ。


 東能代では五能線がとっても気になるんだが、今回は我慢する。青森県は以前、2回も泊まったことがある県だからだ。でも、いつか、必ず乗りに行く。


 そして、秋田県から青森県へと突入し、弘前駅に到着した。青森県は初めてではないが、弘前には初めてだ。


 弘前は市内循環100円バスが走ってる。こういうの、あると観光地としては強いよね。普通に暮らしてる人にとっても便利だし。あとは路面電車とかあれば最高。頑張れ角館。負けるな角館。


 バスの車窓からところどころに昭和な風情を感じつつ、目指すは弘前城だ。


 ……って、やってきたのはいいんだが、保存のための改修工事で、いろいろと残念な状態だった。


 やや悔しい思いをしつつ、再び100円バスで弘前駅に戻って行く。よく考えてみたら、弘前とか、ちょっと立ち寄るぐらいの観光地じゃないよな。春の桜の時期とか狙ってくるべきだろ。


 弘前駅でバスを降りると、ぱら、ぱら、と雨が落ちてきて、慌てて弘前駅へ。


 秋田へ戻る奥羽本線のホームに辿り着いたくらいで、ゲリラ豪雨的な大雨に!? いや、運良くほとんど濡れずに済んだ。


 再び鈍行に揺られて今度は大館を目指す。


 途中、ひらがなで縦書きの駅名表示を見ると、青森県の駅は、JRって書いてあるところがりんごのマークだった。流石はりんごの一大生産地。


 大館に着いた頃には、雨とか降ってたの? って感じ。駅前のお店で地鶏を使ったメニューを探してそぼろ丼を注文。これまたうまし……。


 食後はまず、「秋田犬の里」という施設へ。


 秋田犬がいる。なんとお名前は法子ちゃん、メス。あの、懐かしのアニメ「三銃士」で主題歌を歌っていたアイドルさまと同じ名前ではないですか!

 ……って、めっちゃ寝てた。だらぁ~って感じでめっちゃ寝てた。アピール度ゼロ、サービス精神ゼロで寝てた。いや、暑いし、だれるよな、犬も。


 ここ、お土産を一定額以上購入すると宅急便が無料になるので、きりたんぽとか、きりたんぽとか、きりたんぽとかを購入して家に送った。


 小坂線の廃線跡を味わおうと街を散策していたら、見つけてしまった映画館。

 もう、最高級の昭和感が満載だ。ここだけで10枚以上写真撮ったわ。


 ここだけじゃなく、大館は全体的に昭和感が漂ってる。いい感じの寂れ具合がある。ちょっとした小路に風情がある。


 駅舎は改築中みたいだったが、きっと現代的になるんだろうな……。


 小坂線廃線跡も郷愁を感じさせるいい雰囲気。


 旧小坂駅の方まで行けば、「あけぼの」の客車に泊まれたりするらしいが、路線バスでも1時間近くかかるので断念。そもそも、乗り放題切符をもっと頑張って使わないと。






 大館から秋田方面へ進み、追分で乗り換えて男鹿半島を目指す。


 途中、橋を渡っている時に見えた八郎潟調整池の水門には感動した。これが、巨大な湖を農地に変えたんだよな……。


 男鹿駅は行き止まりの終着駅。その先には線路が伸びていない。果てまで来た、という感じが最高にいい。女川駅へ行った時とそれなりにいい勝負……でもないか。女川、かなりよかったし。


 駅の待合室には2体のなまはげが……これは、子どもが泣き叫ぶのもわかる……。


 ふらふらと港へと歩くけど、いい感じに海が見えるところはなかった。その代わりではないが、半分……いや、4分の3くらい沈んだクルーザーとか、係留されてた。いや、なんで?


 道の駅オガーレで、しょうゆソフトもろそふを頂きました。これは意外とイケる。


 約1時間の滞在で、再出発し、秋田へ。乗り換えなし。


 そのまま秋田駅の駅ビルにあった地鶏のお店で、比内地鶏の親子丼と田沢湖冷麺のセット。それにハタハタ寿司も付けて。


 鶏肉もたまごも美味しいし、ハタハタもなかなか面白かったんだが、一番よかったのは冷麺に入ってたトンブリかも。


 それよりも、何よりも、気になったのは、新しく入ったんだろうと思われるバイトの女の子が、先輩のおばちゃんからの口撃にタジタジになってたパワハラ感だった。どこにでもあるんだな、こういうの。たぶん、おばちゃんは何も気にしてないし、ひょっとしたら女の子も気にしてないかもしれないが、こっちは気になって仕方がなかった。見えないところ、聞こえないところでやってほしい……。


 とりあえず、比内地鶏は美味しかった。


 ホテルにチェックインして、荷物の整理をしつつ、夜は街に出てラーメン屋へ。


 お土産屋とかでも売ってた有名店らしい。チャーシュー麵とチャーハンのセットを頂いた。


 ……いや、食い過ぎだろう?


 ああ、これは、たぶん。

 昨日、横手やきそばのはしごがうまくいかなかった反動がきてるな。うん。


 旅で食べる。とっても大事。でも、食べすぎには気をつけて!





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