VRMMOの最強魔眼士~視力極振りの最弱職~

樹亀

プロローグ

前書き

 前半の書き方難しくてなんか違和感あるかもですがご堪忍ください。


◇◇◇



「な、兄ちゃん。オアリブってゲーム、知っとる?」


 ある日、年の差3歳の弟である藤真が、突然何を思ったのかそう問いかけてきた。

 あまり俺はゲームに詳しい方でもないので、当然「いや、知らん」と返した。


 いつもなら藤真の「ふーん」の一言で終わる会話が、何故か今日だけは違った。


「なぁ、金は出せんけどさ、一緒にやらん?」


「……はぁ?」


 自分でも驚く程に腑抜けた声が出た。

 弟はあんまり俺をゲームに誘ったりすることは無かったし、それが当たり前だった。

 なにせ、俺は生まれつきの視覚障害者だ。それも結構重度の。


「おま、俺目見えんのやで。知っとるやろ」


 半ば呆れた風に言う。知らないはずがないだろう、という意も込めながら。


「いや、流石に知っとるわ。なんか、このゲームさ、SRIスリでも出来るんやけど、専用のゲーム機だったら現実の視覚とか関係無しにできるんだと」


「……あ?ちょっと待って情報量多いて」


 一旦藤真を待機させて、情報を整理する。

 整理に少々時間がかかった後、思ったことをそのまま発する。


「……とりあえず、すり?ってやつから教えろ。なんか盗られるんか」


「え、マジ?SRI知らんの?」


 声に嘲笑が滲んでいる気がする。うぜぇ。


「VRゴーグルって知っとるやろ?流石に」


「……あー、なんか聞いたことある気がする」


「うーん……まぁ、頭に着けるゲーム機やな。今あんま関係ねぇから省くわ」


「頭に着けるゲーム機……ん?」


「あー、俺が変なこと言ったのが悪かった。忘れて」


「あぁ、うん……」


「とりあえず、兄ちゃんでも楽しめるゲームがあるんだってよ。ゲーセンに台置かれてるみたいだからさ、今から試しに行かね?」


「今から!?」


「え、なんか用事でもあんの?別にそれならまたでええけど」


「いや、別に無いけど……。ま、ええか。その代わりそこまでちゃんと連れてけよ?この歳で迷子はシャレにならん」


「ういういー、ちゃんとエスコートしたりますよー」


「え、キモ……。どこでそんな言葉覚えてきたよ」


「うっせ、はよ行くぞ」


 そうして俺は藤真の肩に手を置いて、親に外出を伝えて目的地へ向かったのだった。

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