第32話:報復

 ロシアへの報復は、我が家の全力を注いだものとなった。

 保有しているミサイルやロケットランチャーを使って、大使館とスパイ拠点を完全に破壊した。


 事前に攻撃を通告していたので、ロシア政府とマフィア、一族を誘拐した犯罪者たちは建物から逃げていたから死傷者はいない。


 警察に捕まった大使館員として正式な登録のあった者は国外追放処分となった。

 一族が捕まえたスパイやマフィアは、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが調べて処分すると言っていた。


 予定外の戦力だった、サイレントリュウヤと深雪ファンクラブを使ってネット攻撃を行わせている隙に、政府とマフィアの電子機器を完全に支配下に置いた。


 戦略核兵器の基地、戦術核兵器を保有している基地や艦艇、原子力発電所の電子機器を乗っ取ったうえで、周辺の人間に核シェルターに逃げるように指示した。

 ありとあらゆる情報網を使って民間人は逃がした。


 ロシア政府とマフィアは全力で電子機器の支配を取り戻そうとしたが、普段から十分な準備をしている我が家には勝てない。


 少なくとも、一部の電子機器は取り戻せても、全電子機器の支配を取り戻して、核爆発の危機を取り除く事はできない。


 その後、おばあちゃんがロシア政府とマフィアに『誘拐した一族を返さなければ、ロシア政府大統領以下が何所に隠れようと、その近くで核兵器を暴発させる』と最後通告した。


 バカで身勝手なロシア政府とマフィアは、人質にした一族の指を斬り落として、我が家に再度圧力をかけようとした。


 だが、事前にロシアマフィアの中に作って置いたスパイ組織に『タカラブネファミリーを傷つけたら、本当に近くにある核爆弾が暴発するかもしれないから、状況を確認してから指を斬った方が良い』と言わせて時間稼ぎをした。


 僕はまだよく知らないけれど、ロシア政府とマフィアが、その言葉を信じるくらいの実績を重ねているそうだ。


 我が家が、ロシアにある全原子力発電所を暴発寸前にまで追い込んだ。

 ネットから独立した電子機器であっても、20年30年かけたら、ウィルス感染させる事も、思い通りに暴走させる事もできる。


 全原子力発電所が暴発寸前だと知ったロシアマフィアの大半は、持ち出せる全財産を持って逃げようとした。


 大統領以下の政府要人も、国民を捨てて逃げようとした。

 中には核シェルターに入って生き延びようとした者もいたが、少数だった。


 多くのロシア政府要人は、核によって滅ぶロシアで生き延びるよりも、大金を持って外国に逃げ、優雅に暮らす方を選んだ。


 だが、ほとんどの者が逃げられなかった。

 電子機器を搭載した航空機や船舶が、全て暴走して自己破壊してしまっていた。

 自動操縦だけでなく、補助で電子機器を使っている部分まで完全破壊されていた。

 

 わずかでも電子制御がついているモノは、航空機、艦艇、車両に至るまで動かなくなっていたので、使えるのはものすごく旧式の完全手動の機械だけになっていた。


 慌てふためいた大統領以下のロシア政府要人は、今度こそ核シェルターに逃げ込もうとしたが、政府要人用のモノは、国外逃亡を諦めた者達によって閉められていた。


 見捨てた者たちに開けろと命じても開けてもらえなかった。

 仕方なく庶民が使う核シェルターに入ろうとしたが、とても安全を確保できるようなモノではなく、さらに庶民で一杯だった。


 国軍や親衛隊を使って庶民を追い出し、自分達だけ助かろうとしたために、庶民と軍とで争いが始まってしまった。


 そんな大混乱となったロシアに、合衆国の特殊部隊が、ステルス強襲機を使って極秘裏に潜入した。


 我が家の依頼を受けた合衆国が、人質にされた一族を救いに行ったのだ。

『何かあった時のために、代々の大統領と軍幹部には賄賂を渡してある』とおばあちゃんが言っていた。


 ☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画


Rafael:何とか生き延びたぞ!


藤河太郎:おおおおお、ようやくネットが繋がったのか?


雷伝五郎:タカラブネファミリーの人質奪還から30日か!


Benno:全電子機器が破壊されていたら、復旧までにそれくらいかかるのか?


藤河太郎:そうだな、それくらいかかって当然だな。


雷伝五郎:Rafael、まだつながっているのか、切れてしまったのか?


Rafael:不安定で切れ切れだが、何とかつながっている。


ノンバア:ロシアの状況はどうなっているの?


Rafael:最悪だ、いたる所で略奪と殺し合いが始まっている。


ゆうご:政府は機能しているのか?


Rafael:中央は全く機能していない、地方も7割が機能していない。


Benno:水や食料は確保できているのか?


Rafael:大半の人は確保できずに奪い合いに参加している。

  :移動手段を確保できた人だけが、水や食料の有る地方に逃げている。


ゆうご:Rafaelは何所にいるの?


Rafael:俺は自宅に残っている。

  :もともと引きこもりだったから、半年分の食糧と水が保管してあった。


Benno:そうか安心した、無事で何よりだ。


ノンバア:周辺国から支援はあるの、誰か助けに来ているの?


Rafael:ウクライナやベラルーシなどが来ているというが、助けに来たとは……


Benno:援助名目で、領土を奪いに来ているかもしれないのか?


Rafael:これで、今度こそ、ロシアがなくなってしまいのだろうな……


ノンバア:政治的な事は分からないが、生き残れたのだ!


雷伝五郎:そうだぞ、逃げたいと言っていた国がなくなるのだ、喜べ!


Rafael:実際に国が滅ぶかもしれないとなると、とても喜べない。


雷伝五郎:そう言うものかもしれないないな。


Benno:深雪ファンクラブはできる限りの支援をする。

  :Rafaelだけでなく、ロシア国籍の会員支援を行う。

  :みゆき姫も、ライブ配信と動画の収入を全て支援に回すと言っておられた。


Rafael:だったら思い切って日本に難民申請しようかな?


★★★★★★


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