第13話:昇級
僕たちをおそった悪い冒険者は外国人だった。
三流の冒険者クランが、子供の僕からなら魔法袋を奪えると思って、精鋭を集めておそったのだそうだ。
僕がおそわれた報復をしてくれたお父さんとお母さんが、メールで教えてくれた。
タカラブネファミリーは、やられた事は100倍にして返すのだ!
深雪お姉さんのライブ配信や動画配信だけでなく、僕のライブ配信の記録もあったので、おそってきた冒険者が悪いと証明できた。
月奈おねえさんの正当防衛も、外国のファンがダンジョン協会、警察、検察、日本政府に多くのメールを送ってくれたので、過剰防衛とは言われなかった。
マスゴミは何か言っていたようだけれど、会社のシステムが崩壊するような攻撃を何度も受けて、社長以下の役員全員が辞表を出したみたい。
その気はなかったのだけれど、僕の動画配信もすごく人気が出た。
深雪お姉ちゃんのファンの人達にはすごく嫌われているけれど、多くのお姉さんたちが応援してくれるようになった。
悪い冒険者を返り討ちにしたので、E級冒険者からD冒険者に昇級できた。
もう1つ昇級出来たら海外のダンジョンにも潜ることができる。
ここからが難しいとおばあちゃんに言われたけれど、小学生のうちに必ず昇級して、世界一のトレジャーハンターになる!
ただ、同い年の女の子たちはまだ昇級できていない。
仮免許からF級冒険者にはなれたけれど、亜竜の時も悪い冒険者の時も、僕に助けられただけで、何もできていないと言われて昇級できなかった。
これには僕もちょっと反省した。
お姉ちゃんたちが人質にならないように、敵を最速で倒してしまった。
弱い相手だったから、お姉さんたちにもかつやくしてもらえばよかった。
「お姉さん、このままでは、パーティーで他のダンジョンには行けないよね?」
僕は頭を使う役目の月奈お姉ちゃんに聞いてみた。
「ええ、この3人がE級冒険者にならない限り初心者用ダンジョンしか行けないわ」
「昇級できないのは、3人が小学生なのが一番の原因だけど、モンスターを倒していないのも原因なのかな?」
「そうね、モンスターを倒せないような小学生だと思われたら、絶対に昇級させてくれないわね」
「だったら、次は、宝探しではなくモンスター倒しに集中します?」
「そうしてもらえると、ライブの視聴者もよろこんでくれるわ。
最近は宝探しの動画が地味すぎて、お姉ちゃんに歌ってもらったり踊ってもらったりしていたから」
お姉さんたちはトレジャーハンターの基礎ができていなかったから、できるだけモンスターを避けて、隠し扉を探す練習ばかりしてもらっていた。
どうしても避けられないモンスターは、僕が一撃で倒してしまっていた。
「じゃあ、明日からは3人にモンスターを倒してもらいます」
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
豚キムチ:なんだ、どうした、昨日までの退屈な隠し扉を探しはどうなった!
みゆき命:文句を言うな、かわいい小学生のかつやくを純粋に楽しめ!
Alban:変な事を書いたら通報するぞ!
Benno:小学生を変な目で見るのは犯罪だぞ!
みゆき命:変な目でいている訳じゃない、動画が美しいと言っただけだ!
藤河太郎:美しいかどうかは置いておいて、華やかになったのは確かだ。
ノンバア:うん、もう隠し扉を探しているだけの動画は飽きていた。
豚キムチ:何を言っている!
:お詫びだと言って、みゆき姫が歌って踊ってくれただろう、尊い!
ゆうご:それは賛成。
Kenneth:ただの足手まといと思っていたが、以外にやる。
Rafael:ふん、我がロシアの小学生には及ばない。
Kenneth:露助は黙っていろ、合衆国の小学生の方が優秀だ!
雷伝五郎:3人が意外と強いのは確かだが、すごいのはリュウヤだ!
Benno:そうだな、3人が危険なく一撃で倒せるようにモンスターを動かしている!
豚キムチ:リュウヤなどどうでもいい、みゆき姫を映せ!
みゆき命:そうだ、もっとみゆき姫を映せ!
Alban:そんなにみゆき姫が見たいのなら、6人の動画を順番に切り替えろ。
Kenneth:そうだな、6人のドローンによって少しずつ動画が違う?
Benno:6つの動画を見比べたら、リュウヤの動きの良さが際立って分かる。
:これがタカラブネファミリーの戦い方なのか!
★★★★★★
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