第12話:撃退
魔法袋を奪おうとする悪い冒険者だけど、動きを見ただけで弱いのが分かる。
ライバルファミリーに知られていない秘密兵器を使う必要もない。
記録用ドローンを故障させなくてもだいじょうぶ。
敵が先におそってきたのを記録しておいて、証拠にする。
僕は右腰につけてあった多段式のロッドを伸ばして敵を迎え討つ。
特殊な合金で釣り竿のように伸ばせるようにした武器、多段式ロッド。
敵を生け捕りにする時の武器だ。
僕を抑える役目の敵を、神速の突きで叩きのめす。
目にも止まらない速さの突きを、正確に敵の急所に叩き込む。
普通の冒険者スーツよりもじょうぶなようだけれど、簡単に気絶させられた。
あっという間に5人を倒したから、他の敵はまだ動けない。
それぞれが狙っているお姉ちゃんたちに集中している。
まだ動けないでいるうちに、佐藤桜から助ける。
お姉ちゃんたちの中で一番まじめで一生懸命な女の子。
ただ、今の戦闘力が一番低いのも佐藤桜だから、常に僕の近くにいるように指示していた。
佐藤桜を人質にしようとしていた敵にも神速の突きを叩き込む。
死なない程度に、でも、しばらくは絶対に動けないようにする。
敵もダンジョンで進化しているから、手を抜くとお姉ちゃんたちを死なせる。
殺さないように気をつけながら、でも、二度と人を傷つけられないようにする。
ここでようやく、敵が僕の強さに驚いて対応しようとする。
佐藤桜に近い場所にいる、鈴木葵をおそおうとしていた敵が身構える。
だけど素早く反転して、反対側の敵を狙う。
僕が背中を見せていたので、完全に油断していた敵を狙う。
ルナ・ウィンターズを人質にしようとしていた5人を叩きのめす。
まだ秘密兵器を使う事もなく、多段式ロッドの突きだけで気絶させられた。
彼らも二度と人を傷つけられないだろう。
今度は振り返ることなくそのまま突き進む。
鈴木月奈お姉ちゃんを人質にしようとしていた5人を突き倒す。
骨が粉々になっているだろうけれど、こちらも命がかかっている。
それも僕の命だけじゃない、お姉さんたちの命もだ!
「このクソガキが!」
ようやく悪態をつけるようになったようだ。
ずっと声も出せないでいた敵がわめきだした。
でももう手遅れ、遅すぎる、30人いた敵が今では10人。
強い敵は深雪お姉ちゃんに向かっていたけれど、もう5人がかりは無理。
僕を警戒して深雪お姉ちゃんに集中できていない。
それに、僕は敵を殺さないようにしていたけれど、月奈お姉ちゃんは違う。
「お姉ちゃんと葵に手を出す奴は死ね!」
シスターコンプレックスの月奈お姉ちゃんは、深雪お姉ちゃんと葵に手を出す者には手を抜かない。
本気で殺そうと、急所を狙って次々と矢を放っている!
宝物として手に入れた、ダンジョンダイヤモンドを鏃に加工しているので、少々強化した程度のダンジョンスーツでは防ぎきれない。
僕が人を殺すと後で面倒な事になるけれど、女のお姉ちゃんたちがおそってきた男を殺しても、罪にならないとおばあちゃんが言っていた。
月奈お姉ちゃんが立て続けに射た矢が、敵の心臓や眉間に突き立つ。
☆世界的アイドル冒険者、鈴木深雪のライブ動画
豚キムチ:なんで俺がみゆき姫につきまとうガキのライブを見ないといけない!
みゆき命:文句を言う前に通報しろ、誰か通報したのか?
Alban:安心しろ、もう通報した
Benno:俺も通報した、直ぐに行かないと訴えると付け加えてある!
藤河太郎:俺はタカラブネファミリーに通報した、直ぐS級が来る。
ノンバア:私も協会に通報した、今から警察にも通報する。
ゆうご:その必要はないぞ、もう5人も残っていない!
Kenneth:信じられない、一瞬で25人も倒すだと?
Rafael:ふん、我がロシアの冒険者ならこれくらいできる。
Kenneth:戦争犯罪国の露助は黙っていろ!
雷伝五郎:亜竜を倒す子供だぞ、30人が100人でも楽勝だろう。
豚キムチ:やれ、ツキナ、みゆき姫をおそう奴など殺してしまえ!
みゆき命:そうだ、目を狙って失明させろ、殺してしまえ!
Alban:おい、過剰防衛でツキナが捕まってしまうぞ!
Benno:だいじょうぶだ、リュウヤの記録動画があれば正当防衛になる!
Kenneth:そういえば、なんでリュウヤのドローンだけジャミングされない?
Benno:協会の安物ではなく、タカラブネファミリーの高級品だからだろう。
藤河太郎:世界の最前線で宝探しをしているタカラブネファミリーなら当然だ!
Rafael:ふん、これだから頭の悪いヤンキーとは話が通じない。
Benno:ケンカしている時間があったら通報しろ!
:敵の援軍が来るかもしれないのだぞ!
藤河太郎:そうだ、どんどん通報して敵の悪さを強調しろ!
:月奈が正当防衛になるように、協会と警察に圧力をかけろ!
★★★★★★
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