新訳誠書

人物概要

人物概要 〜第一部

永倉新八（ながくらしんぱち）

　新撰組二番組組長。試衛館剣客。

　冷静に任務をこなす、上下ともに信頼の厚い実力者。語り部。

　同志としてソウを尊敬しながら、天才への劣等感を抱き続けていた。

　神道無念流免許皆伝。荒削りな探求の剣。道場での対等な勝負で真価を発揮する。

沖田総司（おきたそうじ）

　新撰組一番組組長。笑いながら人を斬る、新撰組を代表する剣豪。

　本名・沖田ソウ。沖田家の三女として生まれる。

　剣の才能を開花させ、女性であることを隠して浪士組に参加する。

　天然理心流免許皆伝。河原や座敷など、不自由な足場での瞬発力は日本一。

土方歳三（ひじかたとしぞう）

　新撰組副長。烏合の衆を鉄の掟で軍隊に仕上げた「鬼の副長」。

　ソウの兄代わりとして彼女の行動に目を光らせる。趣味は俳句を詠むこと。

　天然理心流目録。観察と独学で天然理心流にたどり着いた、稀代の喧嘩師。

近藤勇（こんどういさみ）

　新撰組局長。試衛館の元道場主。質実剛健な新撰組の旗頭。

　天然理心流免許皆伝。豪胆にして豪快な、無二の剛剣。

芹沢鴨（せりざわかも）

　新撰組筆頭局長。兵学を修め、武装組織・水戸天狗党幹部にまで上り詰めた傑物。

　酒癖の悪さが欠点。

山南敬助（やまなみけいすけ）

　新撰組総長。試衛館剣客。豊富な知識と温和な人柄で組織を支えた「仏の総長」。

　ソウに想いを寄せる一人。遊郭での遊びにもなびかず、ソウにのみ情欲を抱く。

　北辰一刀流免許皆伝。道場剣法として精錬されて、万人の手本となる剣術。

伊藤甲子太郎（いとうかしたろう）

　新撰組参謀。学問と剣術の双方に優れ、自身の力を示すため上洛する野心家。

　北辰一刀流免許皆伝。分析力を基盤とした理詰めの剣。

斎藤一（さいとうはじめ）

　新撰組三番組組長。試衛館剣客。無表情で人を斬る冷血漢、「人斬り斎藤」。

　ソウに想いを寄せる一人。

　会津藩が新撰組の監視のために用意した諜者。

　流派なし。神速の抜刀術、初撃から相手の首を切り裂く始末剣。

井上源三郎（いのうえげんざぶろう）

　新撰組六番組組長。試衛館剣客。近藤・土方・沖田らと最も付き合いの長い古参。

　影から仲間を見て、痒い所に手が届く働きを見せる。土方や原田の宥め役。

　天然理心流免許皆伝。朴訥、剛毅な剣。特徴がなく素朴なだけに、隙もない。

藤堂平助（とうどうへいすけ）

　新撰組八番組組長。試衛館剣客。新撰組の特攻隊長。

　北辰一刀流免許皆伝。初撃から二の太刀までは電光石火、長期戦は精彩を欠く。

原田左之助（はらださのすけ）

　新撰組十番組組長。試衛館剣客。新撰組随一の力自慢で、お調子者。

　二重人格。昼間は新撰組、夜間は見廻組として京の街を徘徊する。

　種田宝蔵院流槍術。巨躯任せの乱雑な戦い方を筋肉で無理やり成立させる。

山崎烝（やまざきすすむ）

　新撰組監察方筆頭。密偵、諜報活動に身を賭す仕事人。

　医術や変装術など、幅広い知識を持つ。

　情報収集担当の弟、潜入捜査担当の姉の二人で「山崎烝」を名乗る。

　流派なし。人体の急所を熟知しており、短刀で致命傷に至らせる術に長ける。

松平容保（まつだいらかたもり）

　会津藩主。京都守護職総代。

　徳川幕府への忠義に堅い人格者。

佐々木只三郎（ささきたださぶろう）

　京都見廻組局長。会津藩への忠誠と自己顕示に固執する、鉄仮面の部隊長。

　妾のシズを旅籠屋や遊郭に潜伏させて、不逞浪士を一掃する。

今井信男（いまいのぶお）

　京都見廻組特務方。

　原田左之助との決闘で死亡。以降、原田の別人格が「今井信男」を名乗る。

坂本龍馬（さかもとりょうま）

　土佐脱藩浪士。海軍操練所筆頭与力。海援隊隊長。

　倒幕も攘夷も唱えずに開国の実現を試みた異色のネゴシエーター。

勝海舟（かつかいしゅう）

　幕臣。通称「安房守」。

　明朗快活な知識人。主に海軍力の増強を担う。

桂小五郎（かつらこごろう）

　長州藩士。

　飛び抜けた英知と奔放な性格で志士の象徴となった革命家。

高杉晋作（たかすぎしんさく）

　長州藩士。奇兵隊総督。

　松下村塾の双璧の一角と呼ばれた鬼才。