引きこもり令嬢の恋愛事情
多摩鍵ひさろ
第1章 魔法学院(前期)
第1話 プロローグ
いつのころからか、食事以外では、部屋を出なくなってしまった。もう、13才だというのに、婚約相手もいない。
でも、私には、魔法がある。これだけは、自慢できるわ。すべての属性を持っているの。
火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、そして、光魔法の5属性持ちなの。これだけが、唯一の自慢。
自分でも、何が原因か、わからない。結構、恥ずかしいことはあったけど、でも、それが原因という感じもしないの。
恥ずかしいけど、ひとつだけ、白状するね。あれは、10才の時だった。初めての社交界デビュー、本来なら、いい思い出になるはずなのに、私ったら、恥ずかしくて、誰にも、言えなかったの。ダンスの相手には、当然、言えるわけないでしょ。
ダンスの途中で、おしっこを我慢できなくなってしまったの。それで、踊りながら、洩らしてしまったの。
最後まで、当然、知らんふりしてたけど、皆に知られていたかもしれない。
私が躍った後には、水たまりが出来ていたし、私が躍るたびに、靴の跡が床についていたし、多分、バレていたかも。
でも、これって、皆に言っても大丈夫、だから、これが原因とは、思えないの。
まだ、友達も、恋人も同然いないけど、まあ、いいの。私は、このまま、部屋に閉じ込もっていても。
でも、最近、両親が躍起になっているの。なんとしても、普通の結婚をさせたいって、何回も、お見合いをしたけど、いつも、何故か、お断りの返事が届いていたわ。
私のような引きこもりがいると貴族として、恥ずかしいのか、今度、この国に出来た魔法学院に行けって、両親がしつこいの。
私も、面倒になったから、受験するって言ったら、家庭教師まで雇って来て、もう、本格的に受験モードよ。もう、大変。
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