第10話 テーマパークのカウントダウン

冬、学校から帰ると、母が抱きついてきた。とても嬉しそうだった。

「やっと、やっとね。カウントダウンチケットが当たったの。友だちに話したら、いいねって羨ましいって。3年もかかった」

年末、兄は友人の家に泊まることになった。

テーマパークは、寒かった。ブルブル震えた。建物内にいる人たちは、そこから動こうとしない。

母と私は、暗い所を、ただ、ウロウロした。キャラクターショーに近づくこともできい。楽しみにしていたのに全然楽しくなかった。

始発の電車で祖父母の家に行った。

祖母が、お風呂を沸かしてくれた。母が先に入り、次に私が入った。温かく気持ちが良かった。

「ちょっと眠ったら」

祖母が、布団を敷いてくれた。私はすぐに眠った。


「あいつらは、何をしていたんだ」

祖父の大声で、目が覚めた。


祖父母と、新年の挨拶を交わし、おせち料理を頂いた。

その後、祖父は2階に上がりひとりでテレビを見ていた。時々、大きな声で笑っていた。


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