Ep.11"クエスト発生"
これでうさぎさん27匹目! フェイタルラビッツは3匹! 攻撃回数は合計で32回!
俺は昼飯の後平原でうさぎを狩りつつ耐久の減りをみていた。
“銅の短剣(劣)”は大体1回の攻撃で1耐久が減っていた。また、クリティカルは多分0.5減っていることがわかった。“銅の短剣”の残りの耐久値は5。そろそろ戻って回復させなきゃね。でもどうやって手入れをするんだろう? アイミーさんに聞いてみよう。
☆ ☆ ☆
ただいまー。【迷宮感覚】いいな。迷わずにギルドまで行ける。迷わないって素晴らしいね。
さて、アイミーさんに聞きに行こう。
「武器の手入れの仕方? 販売所に研石が売ってるわよ。それでやってね」
「そうなのか。あ、でもやり方がわかんないです」
「うーん。じゃあ、私が教えましょうか?」
「えっ、良いんですか?」
「えぇ。でもそうね。条件をひとつつけようかしら」
条件か。でも美人さんに教えてもらえる機会はほとんど無いだろ。どんな条件でも飲もう。
「その条件ってなんですか?」
「そうねぇ。じゃあフェイタルラビッツの角で私に何か作って?」
そう言うと虚空に手を這わせる。すると俺の目の前にウィンドウが浮かび上がった。
クエスト発生!
――――――――――――
依頼:アイミーのお願い
内容:フェイタルラビッツの角を使ってアイテムを作ってね。作るものはなんでも良いよ。
依頼主:アイミー
推奨レベル:15
期間:7日
報酬:研石の使い方を伝授するよ
――――――――――――
《受注しますか? YES NO 》
推奨レベルには全く届いていないが、YESで良いだろ。
……周りに
《クエストを受注しました》
☆ ☆ ☆
さて、ここでフェイタルラビッツの角について詳しく説明しよう。
――――――――――
名称:フェイタルラビッツの角
希少値:2
品質:F
フェイタルラビッツの頭部に生えている一本角。歴戦の兎の角は鉄でできた鎧をも貫く。小さいので武器にするには向かない。アクセサリーや装飾に向いている。
――――――――――
とのことだ。さて、俺はアクセサリーを作ったことがない。しかも鍛治も始めてから1日も経っていない。
だから4日間は鍛治とアクセサリーの練習をして、5日目に作るものの構想を練り、ラスト2日で作り上げよう。チャート作成完了。
徹夜で美人に貢いでいこう!
「あ、おっちゃん! 換金頼むわ!」
はい、5550Gになりました。
「おっちゃん! この“中級鍛治道具セット”と“初級、中級細工道具セット”ちょうだい!」
合わせて2500G!
高いな。でも買う。
あとは……そうだ。妹に連絡してフェイタルラビッツの角やアクセに適した素材を集めてもらおう。フレンドリストを確認。今はログイン中のようだ。
フレンド欄からメールを送る。お、紙飛行機になって飛んでいくのか。なかなかにファンタジー。原動力はなんなんだ?
あ、戻ってきた。早いな。内容は……
『報酬は?』
『報酬か……何がいい?』
『私たち4人に何かアクセ作って。毒耐性がついてるとなお嬉しい』
『じゃあそれで』
『……あ、受け渡しはどうしよう?』
『夜ご飯の時に噴水のとこに来て。そこで渡す。足りなくなったら言って持ってくから』
『了解した。ありがとう』
さて、これで素材は自動で集まる。これで問題は設備だけだ。要するに金が無い! アクセサリーは説明を見る限り、どこでも出来そうだが鍛冶場がなぁ。うーむ。
「なぁ、おっちゃん。平原以外で敵が弱くて金を効率良く稼げるところってこの辺でどこ?」
「うさぎさん平原の他だと次は森になるぞ」
「なんて森よ」
「大蛇の森だ。平原を突っ切った先にある。森の主が大蛇なんだよ」
もしかして妹が欲しかってた毒耐性ってこいつ対策かな? ていうか森の主ってすなわちフィールドボスだよね。
まぁ、行ってみるか。
☆ ☆ ☆
やってきたのは大蛇の森の入口。意外と中は歩きやすそうだ。進んでみる。
木があるってことは木材が取れるのか。しくじったな。斧を買ってくればよかった。
「グギャッ!!」
「ん?」
現れたのは緑の人型モンスター。ファンタジーの代名詞とも言えなくもない奴。ゴブリン。大人のゲームだと異様に強くなるらしい。
しかも持っているのは斧っぽいもの。やったね! その武器いただきまぁす!
「グギャキャッ!!」
「あまいっ」
飛び上がって斧を振り下ろしてきたのを短剣(粗末なやつ)でいなして着地と同時に斬りつける。怯んだところに首筋に一撃。
これで終わった。ドロップした物は
――――――――――
ゴブリンの石斧
耐久値:15/20
希少値:1
品質:G
ゴブリンが作った粗末な石斧。耐久の減りが早い。
――――――――――
これだけだった。目当てのものが出たのでいいけれど。
ゴブリンの石斧を装備し、木を叩いていく。耐久の減りは5回に1回で1減る。切り倒した木をストレージに入れると勝手に木材に変換された。
――――――――――
アタミの木材
希少値:1
品質:F
アタミから取れる木材。程よく柔らかく、アクセサリーや家具によく使われる。
――――――――――
よし、良さげな素材だ。1本の木で6個ほど取れる。ぼったくってるようにしか見えん。仕方がない。斧が壊れるまで採取しよう。
カーン カーン カーン カーン カーン
「グギャッ!」
あ、石斧!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます