ユナイテッドバース
こころもち
プロローグ
第1話 『 』の生涯
残暑がまだ厳しい昼下がり、陽炎の先に見える一軒家の大間に、寝ている男を家族が囲んでいる。
みんな目に涙を浮かべて男の顔を見ている。
もうじき迎えが来るのだろう、男の顔は満足気だ。
男の目はもう開けられない。
子供の自分が友達と遊んでいる姿。
自転車で競争とかして遠くまで行ったなぁ
大泣きしている姿。
大好きなおじいちゃんとおばあちゃんが亡くなった時だな
社会人になった姿。
スーツのサイズが少し小さくて笑われたっけ。
恋人と喧嘩。
何であんな事で喧嘩したんだろうな、でも仲直りできた。
結婚。新しい家族が産まれた。・・・
これと言って突飛な事は無かった平凡な人生だったが、家族に看取られてなんと幸福な人生だっただろう。みんなありがとう。
大変だったけど幸せだった。
瞼の裏に今まで見た風景・出来事が写っては消えていく。
目尻から一滴の雫が伝う。耳からは家族が自分の事を呼ぶ声。が、だんだんと小さくなっていった。
満天の星空の様に白い光が点として出てきて、増えていく。点が線に伸びて行き視界が真っ白になった。
アナウンス
【ご利用ありがとうございました。『 』の生涯は如何でしたか?またのご利用をお待ちしております。】
プシューーー
何かが動く音が聞こえて目を開けると、眩しくて目を細めてしまう。
「よっ‼お疲れ」そこには見知らぬ人が立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます