レディース異世界満喫禄

元気でね！！

翌日【スカーレット】【ムーンライト】の面々が先行隊として出発していったのを見送った後、時間に余裕が出来たのであたしは一人で森の中を歩いている。

まあ後2時間は暇だから、熊親子にお礼とお別れを言いたいなと思い歩いている。

結構歩いたけど見当たらない、襲われたから住処を変えたのかな？だったらちょっと残念だな、子熊を撫でたかったよ。

と思っていたら脇の茂みから子熊が出てきて、その後に親熊が歩いてきた。

「おはよう、昨日はありがとうね」

すり寄ってきた子熊を撫でながら親熊にお礼を言っておく。

「それとこれを上げる、あんたは血をかなり流してるからこれを食べてね」

【アイテムボックス】から猪を一匹出して、熊の前に置く。

「あたしは移動するからこれっきりだけど元気でね、あ！あとオークの集落はもう無くなったからここら辺も静かになるよ」

最後に子熊を撫でてあたしはキャンプ地向かう事にする。

「お母さんと仲良くしなよ？じゃあね」

熊達に見送られてキャンプ地に戻ると、出発準備が終わった所であたし待ちだったらしい。

「ごめんね、行こうか！」

今日はシン達の乗る馬車での移動となっているのでコハクと戯れながら過ごしているとシンが声を掛けてきた。

「レン様、右窓から外をご覧ください」

言われて右窓から外を見ると森の中に熊親子がいてこっちを見ているのが分かった。

見送りに来てくれたらしい、かわいいなー！

「元気でね！！」

ドアをけて手を振り通り過ぎていく、やっぱり・・・・熊のぬいぐるみを作ろう！そう心から思った。

何事もなく進み、昼食を食べてまた進み今日のキャンプ地に到着した。

今日は寝ないでキチンと護衛をしたよ！・・・・・威張る事じゃないよね・・・ごめんなさい。

「ガルド、ウルザご苦労様！今から夕飯作るからのんびりしてて」

さてさて今日は・・・・・・カレーにします！！ノーマルのカレーじゃなくてひと手間かけて『トマトチキンカレー』を作りたいと思います！

と言ってもいつも使っている肉を鶏肉にして最後の工程で一口大に切ったトマトを入れてさっと煮るだけなんだけど、風味が変わるんだよね。結構好きですよこれ！！

「前に食べた物とは別物だなこれは、でも美味い！」

「レン！やっぱり私のお嫁さんになってよ！！」

「さすがレン様です！！」

トマトチキンカレーはかなり好評だった、よかったべさ！

食事が終わり恒例の報告会が始まり、いつものメンツが集まっている。

「今日は魔物との遭遇は二回、ゴブリン１０匹とオーガ三匹の二回だけ、キャンプ地に【置き土産】は無かった」

「ご苦労様でした、今日もあまり危険な事が無くて良かったです」

「普通はこうなんだがな、行きが異常だったんだよ」

「確かにそうですな」

その言葉に皆頷く、行きでの魔物の遭遇が異常なのだ、デンジャラスなのだ、【置き土産】のせいで嬉しくもない体験をしたという事だ・・・・・本当にうれしくないべよ！！

「まあ気を抜かないようにしましょう、明日にはモアの町に着きますからね」

フォートさんがの言葉に皆で頷き報告会を終わらせて、フォートさんに湯船を渡してあたしとウルザで女性組が待つテントに向かいお風呂の用意をして【ムーンライト】の面々が最初に入る。

あたしとアルナーは待っている間、ティータイムだ。

「レン、昨日のタイラントだっけ？あの子供可愛かったよね」

「アルナーもそう思う？もうね！近くで見たら10倍可愛く見えたよ！」

アルナーよ君はよく分かってらっしゃる！ぬいぐるみを作ったらアルナーにもあげよう！そう決めた。

その後もお茶を楽しみながら可愛いもの会議をしながら夜は更けていく。