やばいべさ!!

今日は午後からアストレイと会わなければいけないため宿でのんびりすることになった。


「皆ごめんね、本当は出かけたいんだけどいつ来るか分かんないからさ」


「いいよお姉ちゃん、今日は銀ちゃんと遊ぶ!」


レイラが楽しそうにギンガに抱き付きほかの子もそれに倣いギンガに群がっていく。

この部屋はかなり広くちょっと走り回っても問題ないので放置しておく。

目の前のテーブルの上にタオルを敷いてあたしは昨日くじ引きで当てた【従魔の卵】を箱から取り出してそっと乗せる。

箱から出してしばらくしたら生まれるっていうからのんびり紅茶でも飲みながら待とうと思う。

ちなみにフィーナはギルドに用事があるということでここにはいない。

子供達を見つめながらお茶を1時間くらいした所で卵はピクリと動いた。


「お?生まれるかな?みんなーこっちおいでー生まれるっぽいよー」


「本当?」


「どんな子が生まれるんだろうね?」


「かわいいのがいいなー」


「たのしみっす」


「どんな子でもお友達が増えるのはうれしいなー」


「ドキドキするね」


それから5分くらいで卵が割れ始めて、最初に見えたのは青白い毛。

そして殻を破って出てきたのは黄色い嘴。


「ぴい!!」


「「「「「かわいい!!」」」」」


生まれてきたのは鳥形の魔物。

全体的に青白い体毛と羽をもち今は生まれたての為かひよこを連想させる。


「かわいい子が生まれたね!」


ひよこちゃんは周りを見て「ぴい!!」と鳴いたいた後懸命に羽ばたき始めた。


「おお?とべるのかな?」


ふわりと浮き始めてあたしめがけて飛んでくる。

やばいべさ!!めっちゃ可愛いんだけど!!と、思ってていたらそのまま頭に着地してまた「ぴい!!」と鳴いた。


可愛いから許す!!


「さて皆、皆でこの子の名前考えよう!!」


「「「「「はーい」」」」」


皆が考えた名前がこれ。


ガイル・・・・・ブルー


シエラ・・・・・・イーリス


キース・・・・・・ナゲット


アリス・・・・・・ポーラ


レイラ・・・・・ピーちゃん


・・・・・キースよこの子は絶対に食べないぞ!レイラはまんまだね・・・・あたし?あたしは【蒼天】だよ、青白い羽で青空を飛んでいる所を想像したら、頭に浮かんだ名前。

名前の意味を皆に説明したら皆納得してこの子の名前は【蒼天】となった。


「お前の名前は【蒼天】だ!よろしくな?みんなとも仲良くしてやってくれ」


「ぴい!!」


この子も賢いのかもしれないね!その後ギンガと蒼天と子供達がじゃれ合っているのを眺めて、「平和だなー」とぼんやり考えていたところでドアがノックされ廊下から従業員さんが声をかけてくる。


「アズエル侯爵がおいでになりました、ロビーまでおいでください」


「あいよー」


平和な時間は終わったようだ。


「悪いんだけど、皆お留守番してくれるかな?お昼は部屋に運んでもらえるようにするから」


「「「「「わかりましたレンお姉ちゃん」」」」」


「ギンガおいで、出かけるよ」


あたしの言葉にこっちに歩いてくる。


「あと蒼天はお留守番かな?降りなさいな」


蒼天は置いていかれるとお思ったのかあたしの髪の毛を咥えて離さなくなった。


「わかったよ・・・・連れて行くから髪の毛はなしておくれ」


「ぴい!!」


「できるだけ早く戻るからね、何かあったら受付嬢に言ってね?じゃあ行ってきます」


「「「「「いってらっしゃい」」」」」


皆の言葉を背に部屋を出た。

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