もっと言ってやって!!

「すごいのうお主、普通の魔術師ならファイヤーストームを5発も使えば倒れるものなのじゃが」


感心したようにあたしを見る。


「ジョセフ殿それだけではないぞ、アズエルから連絡がきてるだろう?エレメンタルウルフの件」


アストレイがジョセフにギンガの件の事を聞いている。


「まさか・・・このお嬢さんか?」


「そういうことだ、だからドルク殿が一緒にいるというわけだ」


「なるほどのう・・・・アリア君」


「わかりましたグランドマスター、今回は200でいいですか?」


「それが妥当じゃな」


「かしこまりました。少し席を外させてもらいます」


部屋を出ていく秘書なお姉さん。


「ジョセフ殿これはアズエルギルドマスター3人は知っている事なのですが・・レンは【渡り人】なのですよ」


「ほう!!初めて会ったぞ【渡り人】には・・・だからその規格外な能力か」


「ですので王都に来たとき何かあったときの対処をお任せしたい・・・こいつはこちらの常識を全くもっていないので」


「そんなにこの子が気に入ったのですかな?」


「気に入ってはいませんよ・・・・放ってはおけないだけです」


「まるで子供を心配しているみたいですな」



あたしの目の前でなんか保護者と教師的な話がすすんでいる・・・・アストレイがあたしの保護者?・・・・あの親バカが?・・・・ないわー

などと話をしていたら、秘書なお姉さんお盆?をもって戻ってきた。


「お待たせいたしました、グランドマスターこちらを」


お盆をグラマスに渡しグラマスの後ろに控える。


「さてと、まずは・・・・・ナイスバスト!!」


スッパーーーーーン!!


「話を進めてください、グランドマスター」


胸の間にスリッパを仕舞いながら注意している・・・もっと言ってやって!!


「ますは今回のスタンピードを一人で処理しダンジョンの中の掃除と封印でこの報酬・・・・金貨200枚」


スッと目の前に小さな袋が置かれる。

金貨200枚って2000万?ひぃぃぃぃすごくない?


「あと・・・・これじゃ」


テーブルの上に置かれたのは白金の輝きを放つカード。

あれ?これって・・・・


「おぬしは今日からAランカーじゃ」


「は?なんでAなの?上がるとしたらBじゃないの?」


「おぬしが今回やったことはCやBでは決してできるものではないからの、できる人間を上げないという事は組織としては『我が組織は無能です』と言っているようなものじゃ、グランドギルドは無能ではないからの」


「まあもらえるならもらっとくわ」


「うむ、今回は本当に助かった、スタンピードが起きたのに王都に被害はなく、発生場所まで潰してもらえたんじゃからのう、ギルドの長、グランドマスターとして礼をいう」


言えない・・・・・ただ天敵の殲滅だけしか考えてなかっただなんてとても言えないべさ・・・・

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