第4話 【天賦・黒龍六眼】
◇◆◇
《【試練・
《【倉庫】が開放されました。【
《新たに【試練・チュートリアル3】が発生しました》
……キリがないな。
やっとすべての項目の確認が終わったと思ったのだが、すぐに次の項目が出現してしまった。
まあ、最初だから仕方がないのかもしれんが。
『武学総論活用』の【試練】は、とりあえず『
ちなみに詳細がわからなかった上昇値についてだが、あれは周天することで【
一成のときは、比率が10:1(
『内功感知』の方は、『玄魔養生功』を10周天ほど運気したところで達成できた。【日々修練】の『運気調息』はこの時に達成したわけだ。
……なお【試練】を達成した時には、開始から優に5時間が経過していたことは追記しておく。
慣れてないということもあったのだろうが、体の中に内功を巡らせることが想像以上に難しかったのだ。
ただもう一つの【日々修練】の『鳳声の賜り』は拍子抜けで、運気調息を終わらせた際に世話役に水を頼んだだけで達成してしまった。
……本当に一声かけるだけで達成してしまったのだ。
なんというか、名君への第一歩というよりもコミュニケーション障害克服のリハビリテーション第一歩というような試練であったな。
これでいいのかと思わなくもないが、【日々修練】とはすなわちデイリーミッションだ。毎日課題が出るのであれば、楽に達成できるのであればそれに越したことはない。
こうして『チュートリアル2』の【試練】と、ついでに本日の【日々修練】もすべて達成したわけで、まとめて報酬が配布された。
『内功感知』の報酬の【倉庫】は、新しく開放された項目で、簡単に言うとインベントリだ。
今は何も入っていないが、先ほどまでは『武学総論活用』の報酬であった【法宝・黒鱗環】が入っていた。
おそらく、今後も物品系の報酬は【倉庫】に届けられるのだろう。もし先に『武学総論活用』の【試練】を達成していたらどんな方法で送られてきたのか、大変興味があるがもう知る由はない。
【法宝・黒鱗環】は、うろこ状の模様をした黒い腕輪だ。腕につけてみると小さな黒蛇が巻き付いているようにも見える。
残念ながら物品は詳細情報を閲覧することができないようなので、詳しい性能についてはわからないとしか言いようがない。
もちろん装着時に腕に合わせてひとりでに伸縮したことや、名称に【法宝】とあることから、ただのファッションアイテムではないことは言うまでもない。
まあ、追々調べるとしよう。
そんなことを思っていたのだが、『チュートリアル2』の報酬であった【天賦・
それがこれだ。
〇【
<分類>:
<概要>:天魔神教に影響を与えた
<効果>:1.
〇【鑑定眼】
<解説>:生物や物品の能力を見抜く力。性能は所有者の能力に依存する。
〇【解析眼】
<解説>:あらゆる
〇【計略看破】
<解説>:あらゆる罠や噓、策謀を見破る力。
……ほほぅ。
何度見直しても変わらずある。目の錯覚や見間違いの類ではないようだ。
【アジ・ダハーカ】の六つの眼になぞらえた能力のうち、後半の三つは封印状態にあるようだが、それでもなお凄まじいものである。
ちょうどいいので試しに【法宝・黒鱗環】を鑑定してみるとしよう。
〇【
<分類>:法宝
<ランク>:
<概要>:黒いうろこ状の模様を持つ腕輪。黒龍の
<効果>:
……ふむ、一部文字化けしているな。能力不足ということか。
それで結局【法宝】とはなんだ? 伝説級とかいうランクについてももう少し説明が欲しいな?
〇【法宝】
<解説>:この世には特殊な力を持つ物品【
〇【物品ランク】
<解説>:物品の性能や希少性に応じ与えられる格付けのこと。下位から『粗悪』『下級』『中級』『上級』『特上級』『特質級』『希少級』『伝説級』『神話級』と分かれており、『神話級』以上は霊宝に分類される。
こちらも文字化けしてるところもあったが、鑑定眼でも詳細情報の閲覧はできるようだ。
とりあえず【法宝】は不思議な力を持つ物品で、今回の【黒鱗環】は【霊宝】一歩手前の性能を誇る【法宝】ということか。
まあ、報酬についての考察はこのくらいにしておく。
それより新しく出現した【試練】の『チュートリアル3』を確認するとしよう。
◇【試練】
・チュートリアル1:達成済(2/2)……報酬「【武学総論】開放」「混元値100」
・状況把握:達成済……報酬「体質・超聴覚」「混元値10」
・情報収集:達成済……報酬「試練・日々修練」「混元値10」
・チュートリアル2:達成済(3/3)……報酬「天賦・黒龍六眼」「混元値150」
・
・
・
・チュートリアル3:未達成(0/4)……報酬「???」「???」「混元値10000」
・
・武器入手:未達成……報酬「???」「混元値1000」
・武骨強化:未達成……報酬「???」「混元値1000」
・
『
・
・
〇詳細情報を閲覧する YES/NO
……今回は比較的わかりやすい内容だ。
『武器入手』は読んで字のごとくであろうし、『武骨強化』も【武学総論】を活用して達成すればいい。
こちらは少し分かりにくいが、『武功秘笈』の方も武功が記された書物である武功秘笈を手に入れるあるいは読めということなのだろう。
『千字習得』は他の試練とは少し毛色が違うが、これは古代中国における字の教科書とも呼べる漢文の長詩・『千字文』を覚えること自体が【試練】なのだろう。つまるところ語学学習のための【試練】であるな。
『武功秘笈』も『武器入手』も『千字習得』も現状では達成することが困難な【試練】だ。
何せ本座はまだ2歳であり、武器を手に入れられる年齢でなければ、武功秘笈もまず文字自体が怪しい。
これらの三つの【試練】は、始めるとすれば千字文からだが、一朝一夕で覚えられるものでもあるまい。
というわけでまずは『武骨強化』の【試練】からだ。
……ふふ。ここですんなりと『武骨強化』を達成するために混元値を割くと失敗とまでは行かないにしても、最適解とは言えないものであるのだろう。
『玄魔養生功』を二成に上げたことで、【武骨・凡人之体】の熟練度の上昇効率も向上した。
おそらく『玄魔養生功』に混元値を振り分け、上昇効率をさらに向上させた時こそ、武骨の強化において最高効率が叩き出される計算となっているはずだ。
よって、まずは『玄魔養生功』を三成に上げるとしよう。
《条件を満たしていないため、レベルアップ出来ません》
……ん?
《【玄魔養生功】三成昇格必須条件【武骨】ランクE以上》
……なるほど、横着はできないというわけか。
……先程までの熱弁は聴かなかったことにしてくれ。
いや、本来であれば三成に達するほど熟練度を上げる過程で【武骨】はEランクに届いているのかもしれない。
その場合、『玄魔養生功 三成』は【武骨】Eランクを前提とした武功なのだろう。これなら筋は通るな、よくできている。
まあなんであれ、できないというのであれば仕方がない。
方針転換としよう。
まず【武骨】の強化をしてから、残りの混元値で『玄魔養生功』も上げられるだけ上げてしまおう。
《【武骨・凡人之体】Lv.0→Lv.5に強化されました。【武骨・凡人之体】が限界点に到達しました。【武骨】の進化が開始されます》
《【武骨】が進化します。強制体質変換が開始されます。所要時間 約6時間》
……あ、これは……意識が……。
……夜で、良かっ…………
《変換中……》
リザルト
混元値 121(開始時)
+190 -159
混元値 161(武骨強化終了時)
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