言葉の表面的な遊びに留まることをせず、確かな実感のある場面の描写と言葉の選定によって読む人はまるで愛情そのものを手に取っているかのような気持ちになれる作品でした。全体的には子どもに対する母親の絶対的な、枯れることのない愛情が描かれつつ、親という存在に対する、はっとさせられるような厳しい視線も入ってきます。それが、この連作のもつ存在感にもつながっているように感じられました。とてもよかったです!