第28話 サラマンダー


 隣町アーリアまで来た俺たちは宿を取ってここのギルドでサラマンダーを買い取ってもらう。

 えらくビックリされたが良い状態のサラマンダーが手に入りギルドも助かるとのことだ。

「儲かったな!」

「な!売れて一安心だ」

「買い物でも行こうぜ?」

「そりゃ日本に帰るか?」

「いや、たまにはこっちで買い物しようってことだよ」

「いいねぇ」

 魔道具屋や魔本屋など沢山の店がある。

「おぉ!自動お尻洗浄機だって!」

「クリーンがあるだろ?」

「そうか」

「おっ!こっちは火魔法がでる筒!」

「火魔法は使えるだろ?」

「そうか」

 ダイジロウは物珍しさで必要ないものを買いたがるな。


「透明になれるマント!」

「何する気だよ!」

「しかも高い!」

「ちっ!なんだよさっきからケチばっかつけて」

「お前がそうさせてるんだろ!」

 本当に馬鹿だ。


 服屋に行くとエリーとサティが長く時間を取る。

「ジョー様これはどうでしょう?」

「似合うと思うよ?着てみたら?」

「はい!」

「サティはこれなんかどうだ?」

 熊さんパンツを選んでいるダイジロウ。

「ダイジロウ嫌い!」

「そりゃ怒るだろ?」

「そうか?可愛い熊さんなのに」

「それを置け!変態みたいだぞ」

「へ?」

 大男が女児のパンツを選ぶなよ。


 俺たちもコートなどをみて回る。

「ジョー様にはこれが似合うと思います」

「お、ほんとか?」

「ジョー様、似合ってます」

 コートを一着購入決定だな。

「サティ、それは?」

「ふんどし!ダイジロウに似合う」

「さっきの仕返しだろ」

「きゃー」

 サティとダイジロウもあれで仲良いからな。

 ケンタは細身のコートを買うみたいだ。


 甘味屋では甘すぎる菓子が売っていて食べてみたが砂糖の塊の様だった。

「俺苦手」

「ケンタもか?」

「そうか?甘くてうまいぞ?」

「サティはジャムパンでいい」

「私も苦手ですね」

 甘味屋は一部を除いて不評だった。


 魔本屋に来てみたが本が高い!

 あまりにも高いのでやめて、今度はパンやに来てみた。


 ほんのりいい香りがして美味そうなパンを何個か買ってみる。サティの大好きなジャムパンも売っていたがこれじゃないそうだ。

 一応買ってみる。


「んー、んー、んー、やっぱりジャムパンは茶色の玉のやつが美味しい!」

 だめだったらしい。

「これうめぇ!」

「ほんとだ!」

 ベーコンの入った硬いパンは好評でみんなで食べたが、いろんなパンを食べてみたが全体的に硬い。


 やっぱり柔らかいパンの方がうまいな。


 最後は宿の下の酒場で飯を食う。

「うま!この肉美味い!」

「やばいな!こんな肉初めて食べるぞ」

「おばちゃん!この肉は何の肉?」

「サラマンダーさ、美味いだろ?」

「……まぁ美味いな」

「うん」

 自分達が狩ったあの蜥蜴だ。美味いことは美味いが微妙な気分でこの日は幕を閉じた。

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