第22話 豚汁


「狩りの時間っしょ!」

 てことで外に車で出ている。

 目指すは開拓村から東に位置する山。

 何がいるかはギルドに行きたく無いので不明だが何か獲物はいるはずだ。


「到着ー」

「さぁ、何が出てくるかな?」

「トロールは勘弁してほしいな」

「「それわかる」」

 俺たちは車を降りて森の中を進んでいく。

「あ、やべ、大のほうだわ」

「あっちでしてこいよ!」

「紙あるか?」

「ある。行って来る」



「ふぅ、ふん!」

 脱糞の掛け声と同時に悲鳴が、

「た、助けてくれ」

「やめてやれ!そいつは今脱糞中だぞ」

 オーガが鉄の棒でツンツンしていた。

「早く出し切れ!ダイジロウ!」

「分かってるけどこいつが邪魔で」


「オーガ!こっちが相手だ!」

「グオオォォオゴホッゴホッ!」

「ダイジロウ効いてるぞ!」

「うるさい!」

 オーガも咽せるほどの臭さだったらしい!

「オーガ!俺たちもそっちにはいけない!こっちに来るんだ!」

「そうだ。オーガ!目にきてるじゃないか!」

「そうだこっちだオーガ!」

「そのまま真っ直ぐだ」

「おら!この野郎!」

「あっちに行ったお前が悪い!うりゃ」 

 俺とケンタで滅多斬りにしたらオーガは倒れた。


「ご苦労!」

「何がご苦労だ!」

「そうだお前は何食ったらオーガがダメージ受けんだよ」 

「し、知らねーよ!」

 スッキリした顔して戻って来やがって!

「このオーガどうする?」

「お前が待てよ」

「え?」

「ダイジロウが責任を持ちなさい」

「わ。分かったよ」

 ダイジロウがアイテムボックスに収納する。


 さて、狩り再会だ!オーガをあと二、三体探しているとオーガがいた!

「ちゃんと狩るのは初めてだな」

「そうだな!」

「おーい、忘れてるみたいだけど一匹狩ってるからねー」


「いた!オーガ二体!匂いに敏感だから気をつけろよ」

「それは俺についてだよね」

「了解!」

「了解しちゃったよ」

「行くぞ」


 オーガ二体は気付いている様で戦闘体制だったが、トロールに比べてデカく無いし、パワーもそこそこだったので、苦もなく倒せた。

「よーし!この調子で行くぞ」

「「おう」」


 それから二十体ほど狩って車に戻る。

 車ではエリーが食事を作っていた。

「腹減ったぜ」

「だと思って作っておきました」

「ありがとエリー」

「私も手伝った」

 とサティが両手を上げピョンピョンアピールしてるので、頭を撫でてやる。

「よくがんばりました」

「えへへ」


 よし開拓村に帰るか。

「「「うわぁぁぁ」」」

 車を発進させると突然前に大きな猪が体当たりして来た。

「クッ!この野郎」

「ダイジロウ!」

「おうっ!」

 全員外に出て車を収納する。

「よくも俺の車を!」

「何にもなってなかったけどね」

「ブヒイィヒィィィィ」

「この豚、豚汁にして食おうぜ」

「いいね、豚汁」

 猪の突進を避けて剣を突き刺すが硬い!

「こいつ硬いぞ」

「俺に任せな、そら!」

 ダイジロウが脚を掴んでひっくり返す!

 猪も驚いたのかもがきながら鳴いている。

「オラ豚汁!」

 腹の肉は柔らかく剣が通る。

「もう死にそうだから血抜きするべ」

「そうすっか」

 首と脚を切り血抜きを始める。

 車を取り出して傷がないかみる。一つも傷ついてなくてよかった。


 よっしゃ、今日は帰って豚汁だ。

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