第11話 サティとダイジロウ


「ジャムパン美味しい」

「そりゃ良かったなぁ!」

「ダイジロウありがと」

「どういたしまして!」

 ダイジロウの銅色カプセルはほとんどが菓子パンだった。それにしても怒るなよ。サティは笑ってるけど。

「武器もだいぶ集まったから宵闇に売りに行くか」

「そうだな」

「ギルドにいるだろう?」

「だな」

 四人でギルドに行くと宵闇を見つけた。

「よぉ、武器買わねぇか?」

「おっ!あの武器か?買う買う!」

「あの武器じゃねえけど質は保証するよ」

「んじゃ別室かりようぜ」

 受付に別室の借りる許可を得て、別室にいく。


 魔剣サディマスタ、星双剣スターマギア、魔斧マギカナルブ、魔短剣ドライマナ、どれも秀逸な作品だ。

「おぉ!俺はもちろんこの魔剣だな!」

「私は短剣!」

「ワシはちょっと違うが魔斧マギカナルブが気になるぞい」

「俺はスターマギアだ」

「で?いくらだ?」

「一つ千ゼルでいいよ!」

「まじか!大金貨四枚払うぜ!」

「毎度!」

「さーて、さっそく訓練場にいって、依頼をこなしてくるか!」

『おう』

 宵闇は早く試したくて訓練場にいった。

「がんばれよー!」


 これで今日のガチャ分は取り戻せたな。

「さて俺らもなんかするか?」

「だな、オークの残党狩りなんかどうだ?」

「いいかもな」


 サティもいるし、危ない所は避けたいからな。

 車で移動していくとやはりオークがちらほらいる。

 車を降りてオークを羽交い締めにしてからサティに攻撃させる。そしてトドメを刺す。

 これを繰り返してこの辺のオークはいなくなった。

「フウ、いい仕事したぜ」

「ダイジロウありがとう」

「いいってことよ」

 サティとダイジロウは友達感覚なんだろうな。

 ギルドに戻ると宵闇がいい顔している。

「この武器マジでいいよ!」

「軽いし切れ味がスゲェ」

「それは良かった。二個目はないからな?」

「分かってるって!」

 宵闇と別れてオークを換金する。

 あまり金にならないな。

 このままだと白金貨まで行くんじゃねえか?ま、まぁ、まだ先のことかもしれないしな。


 車のパーツをつけながらそんなことを考えていると、ケンタが寄って来た。

「このままだとヤバいんじゃない?」

「ガチャだろ?白金貨までいくとヤバいな」

「だよなぁ」

「帰るめども立ってないし」

「まぁ、最悪は帰れなくてもなんとかなるとこだろ」

「まあな」

「でも帰れるとしてサティはどうする?」

「だから今鍛えてるだろ?」

「まだ子供だけどな」

「な、それが問題だ」

 二人して黙ってしまった。

 車のパーツをつけ終わり収納する。

「なんのパーツだったの?」

「エアロパーツっぽいんだけど付けてみた」

「説明書も付いてたのかよ」

「な!ちょー親切」

 これを付けてどうなるわけでもないだろ。

「まぁ、かっちょいいからいいや」

「それでいいならいいけどな」


 晩飯を食い宿に泊まる。

「ガチャ出してみて」

 ケンタがガチャを出してというのでだしてみた。

「あっ、やっぱり書いてある」

「ん?あ!」

『パート2、金貨=一回 大金貨=11連』

「パート2かよ、3とか出たら回せないぜ?」

 まぁ、金が飛んでいくのは仕方ないけどな。

「これ以上がないことを願うしかないな」

「はぁ、ガチャだけが頼りだったのに」

「だな、帰れなかったことを考えとかないとな」

 みんな黙るがサティは、

「大丈夫だよ!サティが養ってあげる」

「マジか!サティ!お前は可愛いなぁ」

「ダイジロウはダメー」

「なんでだよ」

「優しくないからー」

「「あははは」」

 サティに救われたな。しっかりしないとな。


 よし、狩りに行こう!

「今日はオーガだな!」

「オークの次が、オーガかよ!」

「今の俺らなら勝てるって!」

「オーガなら北の山の方だな」

「行くぞ」

「「「おー!」」」


 北の山に着くと、オーガがそこら中にいる。

「おい!でけぇぞ!」

「思ったよりでかいね」

「まぁ、やってみっか!」

 車を降りて、

「どりゃ!」

「オガァァ」

 袈裟斬りにすると事切れたように倒れるオーガ。

「オーガ弱えぞ?」

「うそ?」

「う、うそつくなよ!こいつ力半端ねぇぞ!」

「あー、レベル差かな?」

「助けろよ!」

「ホイホイ!」

 オーガの首をチョンパする。

 サティに魔法で当ててもらい、それを倒す。次はあっちか、

「こら、俺を素通りするなよ!」

「サッサと倒せよー」

「くっ!こなくそ!」

 俺はサクサク、ケンタは余裕があるな。ダイジロウは真正面からぶつかるからだよ。


 オーガもあらかた片付けたんで、みんなで車に乗って帰る。

「オーガが楽とかあり得んだろ?」

「だからレベル差だっての!」

「だぁ!俺もそのうち追いついてやる」

「十六倍には勝てないっしょ」

「そうだった!」

「残念、ダイジロウ」

「サティ、馬鹿にしてるだろ?」

「してませーん」

「コチョコチョの刑だ!」

「キャハハハハハ」

「それくらいにしとけよー」

「「はーい」」

 車に乗ってもうるさいやっちゃ。

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