幽霊と死神

刹那、キュイーン!と体温を取られそうに為る!走る悪寒!嫌だと心が叫んだ!今の地形が左手に清流の小川、右手に首吊り山!選択肢は一つしかない!

ヨシくん、幸子と共に左手に飛ぶ!見事に足を踏み入れた!

 こうして行きずりのお姉さんを往なし、ホッとする間もなく頂上を目指す!

 肝試しというのはこのおだいしさんの頂上の祠に行き、登山の通い帳に自身の名前を書く事だ。

 だから何があっても頂上へ行かねば為らない!

 直線の山道、あの階段を昇れば頂上というところに来た!すると、黒いマントが見えた!「なんだ御婆さんか・・・。」暑そうなマントだ事。」そう思っていると目の前に御婆さんが立った!速い!眼が青い!

「おばあちゃんで悪かったな!私は死神や!」

「ハヨ行きやアー!」

「嫌々歩いてどないしよんねやア!」

ゴゴゴオ!と、地鳴りがした!

肝を潰す程の声量だった。

胃がひっくり返った様な!

「アンたら子供はなあ、生きなイカンわなあ!ハハハ」

こう言って笑い飛ばして行ってしまった。

ヨシくんも幸子も唖然としていた。

家から持ってきた冷たい麦茶は、全然飲んでない事に気付いたのはおばあちゃんが去ってから5分程度経ってからの事だった。

もう脱力感で一杯だったから帰る事にして、肩に食い込む水筒のベルトが、重い。 


 



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