中学生3年生・1学期-3
そして。
春休みが終わる前日。
「はるか!そろそろ行くぞ?」
「は~い」
今日は鷹兄のマンションへ引っ越す日。
とそこへあの人がやってきた。
「おや、はるかまだいたのかい!?」
「いましたけど、何か?」
「目障りだからさっさと、出ていきな!!」
あーあ。
面倒くさいな。
「はるか、相手に……」
「大丈夫だよ。鷹兄」
「はるか?」
「だって、この女は可哀想な人なんだから」
「なっ!?」
「だって、父様は今でも母様を愛している。それなのに、この女は父様に全く相手にされない可哀想な人だから。父様は私たちにはまだ母親が必要とわかり、この女と結婚した。そして、私たちにはもう母親は必要ない」
「親父が離婚を申し出るのも時間の問題だろう……」
ちょっと言い過ぎたかな?
でも。
ホントのことだし。
「はるか!アンタ達の母親はあの人の不倫相手じゃなかったかい?」
「確かに私たちのママは父様と不倫してた!けど!!父様はママも愛してた!!誰かさんみたいに愛されてないなんて事なかった」
そうだよ。
私とあきのママは父様の不倫相手だったよ!
でも。
それでも、ママのこと愛していたんだからっ
「じゃあ~あき?私行くね。朝きちんと起きなさいよ?」
「大丈夫だ。俺がモーニングコールするから」
「由兄っ!!馬鹿にすんなよ!!俺だって1人で起きれる!!」
「今まではるかに起こされてやっと起きてるだろう?」
「大丈夫つったら大丈夫なんだよ!!」
「くすっ。うん。わかったから、あきムキにならないの」
「はるか、そろそろ行くぞ?」
「うん。じゃあ私もう行くね?」
そして。
鷹兄の車で向かう。
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