夫婦-2

「悠也……」




はるかは悠也を、笑って悠也の方を見る。




「悠也は馬鹿だね。私が好きなのは、悠也だよ。悠也より格好いい人がいても、私は悠也以外を好きにはなれないから……」

「ごめん」

「わかればいいんだよ」

「でも、結婚する時さ、はるかの親父さんへの説得じゃなくて……」

「ははっ」

「鷹大先生とあきの説得だったもんな」

「みんな私が結婚するって、妊娠した言ったら驚いてたよね?」

「驚いたつーよりショックだったんじゃないか?」

「鷹兄とあきは、シスコンだもんね」

「でも、あんなシスコンの先生を好きになる人がいるなんてなぁ……」




2人は、昔を懐かしみながら話しをしていた。

はるかの兄・鷹大はかなりのシスコン。

おまけに妹に手を出して、妊娠までさせた。

その鷹大は、現在結婚してもうすぐ父親になる。




「でもさ、俺的には、あきのことがびっくりだね」

「あき?」

「あの、陸上馬鹿に彼女いたなんて」

「來未曰わく、"母性本能をくすぐられる"んだそうだよ」

「母性本能ね……確かにあきは、馬鹿だもんな!」




2人が楽しく、話していると……。




「ただいまー」

「おかえり」

「パパとママまた2人で話して!何見てるの?」

「ママたちが学生の頃の写真」

「へぇー。私にも見せてよ」

はるかは、娘にアルバムを見せる。




「丁度、悠花くらいの時のだよ」

「パパたちってどんな高校生だったの?」

何も知らない娘は訪ねてくる。「知りたい?」

「うん!」

「何を聞いても軽蔑しない?」

「え?」

「悠花。ママはね、高校生の時、学校の先生が好きで付き合ってたの。先生には奥さんも子供もいたのに……。それでも聞きたい?」




娘は静かに頷いた。




「それでも、私ママたちの話が聞きたい」




娘がそう言う。

はるかはそれならと、昔の話しを始める。

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