桜の舞う下で(特別編)

中筒ユリナ

第1話 陰陽、それぞれの我が子達

僕の名は、「オニウィ」


魔王を父に持ち、母は、闇側なのか、光なのか・・・よくわからない。


父は、ロイ、母は、リオン。


そして、僕と同じ母を持つ女の子

「真緒」


彼女は、聖なる光を持つアリオスおじさんを父に持つ。


僕と真緒は、言わば幼馴染みであり、真緒の事は誰よりも知っている。


僕は常に闇の世界に身を置き、父が造り給うたお城なのか、お屋敷にいる。


勿論、そこから出て行き、沢山の闇側で鎮座される神々様のお話し合いに参加したりもしている。。


つまりは、闇の世界にしかいられないのだ。


真緒に会う時は、必ず誰かに付き添われて、彼女は僕の処へやって来る。


そして、もうそろそろだ。。。


「オニー、来たよ!!」

いつもの真緒な感じでドアが開かれた。

彼女から僕は、「オニー」と呼ばれていた。


父は、真緒をもてなす為にあれやこれやと手作りな料理をテーブルへ。


真緒「うわーっ!! 美味しそう!! さすが、ロイおじ様!!」


ロイ「褒めちぎるならば、口にしてからでよい。」


「おっ!、、美味そう!!」

アリオスおじさんを筆頭に、僕らの父とも言う方々が一緒に席に着く。


ロイ「なんだ?皆々揃いか・・・」


セト神「お邪魔するでの。」


父は、ため息だ。。

ロイ「そなたが来るとは、また何かあるのだな。。リオンか・・・」


セト神「よくわかっておるようじゃの。。。後に連れて来るでの。」


アリオス「リオン、皆様からこき使われすぎだ。 もう少し、休みをとらないと。。。」


ジャン「そうは言ってもいられないんだろ。。急ぎの仕事ばかりだからな。。俺達が一緒だとは言え、、」


カイム「まぁ、邪悪をやっつけるより、自身の能力は消耗するよな。

なんせ、リオンにしか出来ない事だしな・・・」


そうなのだ。。。

母の仕事は、天界よりも別な世界にいる伊邪那岐命様ご夫妻と共に陰陽のバランスを取る事なんだとか。。


地球に漂う負の感情などを浄化しながら、光を与える方々からの神聖なエネルギーを流すらしい。


気を抜けば直ぐに負の感情は増え、大変なんだとか。。


セト神様は、そんなクタクタになり、消耗しきった母を連れてきては、父へ。


父は母を抱きかえては、一部屋に籠もる。 そして僕に言うのだ。

「良いか。 決して部屋のドアを開けるでないぞ!!」


両親が中で何をしているかなんて全く知らない僕だった。


ただ、何日かして部屋から出てきた母は、元気になっていた。


それでも僕は中からは出ては来ない両親が気になるのだ。。。



真緒「ママがぐったりすると、決まってロイおじ様がママを連れてお部屋に入るでしょ。 ママと何をなされてるの?」


真緒も気になるようだ。


すると、アリオスおじさんは、

「夫婦の関係じゃないのか?」

父にちょっと意地悪ぽく言えば、父もそれに返す如く、

「ハハハ!、、アリオスが考える事など、下世話な事よ。

夫婦の営みなど、いつでもできようぞ!!」


アリオス「な、、!なんだよ!子供の前で!!、、もっと言い方を考えろよ!、、いや、俺がきっかけだ。

悪かった。。」


ロイ「お前らが想像するような事ではない!」


すると、セト神様は、あきれたように諭される。

「全くのう、いつになればロイとアリオスは仲良しになれるのかのう。。」


真緒「ねぇ、セト神様、営みってなあに?」


ジャン「うっ、、、!、、うっぷ!」


カイム「おい!、、大丈夫か?、、ジャン!! 真緒が変な事聞くから、ジャンが料理詰まらせたじゃないか。」


真緒は、キョトンだ

「私、変な事きいたかな?」

そう、言いセト神様を見る。


セト神「真緒が大人になればわかるじゃろう。」


真緒「大人・・・?ふ〜ん。。わかったよ、セト神様。。」


ジャン「あぁ、、びっくりした。。」


僕は皆様を見ながら、真緒がかなりその営みについて知りたがっているのが理解できた。


ただ、真緒に教えてあげようにも、実は全く知らない僕だった。。。



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