第6話 綺羅々ですわー!!!!!!!

4ヶ月前に何百人の兵士を殺害して、魔王城から抜け出したイリス王女様。


一週間前に父である魔王様の御前に転移し、ヘルエアウィムを大いに沸かしました。


多くの貴族の期待をその一身に受けていたイリス王女は、この事件をきっかけに、嫌われものになってしました。


あ!自己紹介が遅れました。


私は幼い頃からイリス王女を見てきたメイドです。


例え、イリス王女がどのような罪を犯しても、私だけは、イリス王女を抱き締めるつもりです。抱き締める................


ウヘヘ。


ゴホン、イリス王女はとても、人見知りで、ご友人も少ない方です。なので、私がご友人の代わりになれるように、日々、努力しています。


「ご飯........べ.........し.........」


おや?遠くからイリス王女の声が聞こえて来ます。


誰かとお話ししているのでしょうか?


「イリス王女さ..............」


私は声をかけようとしましたが、途中で途切れてしまいます。


「は、はい。な、ナカユビさんはどうですか?」


「あ、あれは、ま、魔点機といって、」


「こ、これから、しょ、食堂にいきます。」


......................イリス王女が、ご自分の中指に幾度となく、言葉をかけていました.........


なんと言えば良いでしょうか.........とてもシュールです。


"私がご友人の代わりになる。"


それがこの瞬間、誓いになりました。




魔王城の食堂。


とても広く、友人に連れてかれた事のあるレストランより遥かに大きかった。


さすがはお城。


その広い食堂の隅っこのテーブルで、カチャカチャと不便そうに左手を動かして、ご飯を食べるイリスに質問した。


『なぁ、3年後、本当に死ぬのか?』


「は、はい。魔力過多で死んじゃいます。」


魔力過多って何だ?栄養過多みたいなモノか?


質問を重ねたいが、これ以上質問するのは良くない。


ご飯たべてるからな。


めっちゃ集中して左手で、カチャカチャしてるからな。


今、話しかけたらめんどくさい男扱いされてしまう。


焦るな綺羅々。情報収集は後からで良い。大人の余裕を見せろ。


一旦、自分を落ち着かせた俺は、イリスを見守ることにした。


が、


ドパッ!「あっつぅぅ?!」


イリスの頭に、通りすがっていた女が熱いスープをぶっかけた。


「あら、ごめんなさいイリス。居るとは気付かなかったわ。」


クスクスとお上品に笑う女に、イリスは「あ、アハハハ........」と無気力に笑い返した。


何だあいつ?あと、イリスも何で笑ってるんだ?


イリスってお姫様なんだろ?あんな事して、首飛ばないのか?


なにかがオカシイ。........ん?もしかして?


「実の姉に挨拶はなくて?腕だけじゃなく、脳まで腐っちゃったのかしら?」


「い、いいえ........ご、ごきげんよう。お姉さま.........」


やはりと言うべきか.........イリスには、姉という名の害虫がまとわりついてるらしい。

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