行動心理学アラカルト3
かとうすすむ
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こんにちは。いかがお過ごしですか?
前回の心理学アラカルト2に続いて、今回は、ビジネス編ということで、いくつかの、「商談」に役立つ知識をあなたにお届けしたいと思います。
まず最初は、「笑顔」です。初対面での第一印象は、人間関係において、とても重要な役割を果たします。商談の場面では、出会う時に、必ず笑顔を心がけて下さい。そして、その時に、気をつけるのは、普段から、鏡を見て笑顔をよく練習しておくということ。素敵な笑顔は誰でも人から好かれます。あとは「頬」の意識です。頬を意識するだけで、笑顔はとても容易になります。頑張りましょう!
次に商談の時は、出会った相手が片手に持っている鞄を観察してみましょう。相手の性格が分かります。
リュックで来た人は、とても行動的です。アクティブに商談を進めましょう。
トートバッグで来た人は、とても、おおらかです。多少の商談の脱線にも付き合ってくれます。マイペースに話を進めましょう。
クラッチバッグで来た人は、決断が早い人です。スピーディーに話を進めましょう。
アタッシュケースで来た人は自信家です。ですから、逆に、相手に旨く取り入れば、こちらの誘いに容易く応じるでしょう。
古い鞄で来た人は頑固者です。鍵のついた鞄で来た人と同様に、個人主義的ですから、とりあえずは、相手のペースに合わせましょう。
次に商談の場所です。最近では、よく喫茶店やレストランが使われることが多くなりましたね。
商談のお店としては、出来るだけ、中華料理店のように紅い色を多く用いているお店が向いているかもしれません。紅い色は人を活発にしてくれます。商談もスムーズに行きます。紅いお店を選んで、待ち合わせするのも良いでしょう。
商談のお店が、もしもお客さんで混んでいなくてガラガラだったら、とりあえず「一歩譲って」、相手に先にお店へ入ってもらいましょう。相手がどこの席に座るかでも、相手の性格が分かるのです。
店の入り口の近くの席を取る人は、とても行動的です。相手のペースに任せて構わないかもしれません。
店の中央の席を取る人は、自己顕示欲が高い人です。まずは相手の話題に耳を傾けてみましょう。
壁を向いた席を取る人は、自分の世界が大好きな人です。まずは、相手の世界を理解することから始めましょう。
奥の席を取る人は、防衛的です。こちらから、どんどんリードしていく必要があるようです。
そして、いよいよ商談の際の、相手に好印象を持ってもらえる話し方です。
身は乗り出しておきます。そして、よく、相手の話に、うなずく。腕はテーブルの上でリラックスして広げておく。視線はまっすぐと相手を向いておく。要は、「意欲」です。相手の話を誠実によく理解することから始めましょう。
あとは、「ペーシング」といって、相手の話すスピードに合わせることも肝要ですし、「バックトラック」といって、あいての言った言葉の「おうむ返し」も、印象をよくするのに効果的です。
自分の主張を相手に通したい時にも、いくつかの方法がありますが、基本は、まず相手の主張を受け入れることからです。これを「イエスバット法」もしくは、「アサーション」と呼びます。まずは相手の意見に賛同し、次にやおら、自分の意見を聞いてもらうわけです。この時に、自分の主張が相手にどんなメリットがあるのかを明確に示せば良いわけです。
相手に自分の意見を示す際に心理学的に用いられる主な方法としては、「ドアインザフェイス」や「フットインザドア」、「ダブルバインド」が上げられます。これは、例え話で説明すれば分かりやすいでしょう。
「ドアインザフェイス」。これは、母親が幼い息子に、遊んだおもちゃのあと片付けを頼んでいる時です。
「ねえ、健太くん。この家の全部、健太君にお掃除をお願いしても良いかしら?」
「そんなの、やだよ、ママ」
「じゃあね、健太くんのお部屋だけでいいから、あと片付けをお願いね!」
おそらく健太くんは、心安く、後片付けに応じてくれるでしょう。
「フットインザドア」。これは、職場における、ある上司と部下の会話です。
「君、この封筒の切手貼り、お願い出来るかな?」
「いいですよ」
「ついでに、この封筒、全部、あて先別に仕分けしてくれるかい?」
「ええ、いいですよ」
「じゃあ、すまんがこの封筒、全部、ポストに投函しに行ってくれるかな、悪いね」
「ええ、構いませんよ。出してきます」
徐々にハードルを上げていくわけですね。
「ダブルバインド」。これは、どこかの恋人たちの会話です。
「ディナーを取るとしたら、君は和風と洋風のどっちだい?」
「そうね。和風かしら」
「食べるとしたら、銀座かい、それとも赤坂かな?」
「うん、銀座がいいわね、そんな気分だわ」
「じゃあ、今度の日曜は、僕の知ってる銀座の日本料理のお店で夕食に決まりだな!」
という具合です。夕食をともにすることが、いつの間にか既成事実になってますね。面白い。
そして、相手の前に、交渉の案件のファイルを複数で提示する時は、こちらの望むファイルを、相手の出来るだけに、「右寄り」に置くことがポイントです。人は、「右側」に好意を抱くようです。活用しましょう。
あと、商談での会話では、リップサービスやジョークも欠かせません。どちらも会話の潤滑油になってくれますし、好意の返報性からも、おすすめです。
逆に、相手の反応に関しても、いくつかあります。
会話をしていて、相手が胸の「高い」位置で腕を組んでいたら、要注意です。それは、攻撃性のあらわれですから、少し会話で様子を見ましょう。しかし、もしも、会話している相手が、胸の「低い」位置で腕を組んでいたら、それは防衛のサインです。どんどんアタックしていきましょう。
時に、相手の反応で、言葉と身体の反応が異なっている場合がありますが、こんな時は、「身体の反応」を基準にして話を前に向けましょう。その方が合っています。ちょっと変な感じでしょうけれども。
あと、相手の視線にも注意しましょう。相手が真剣に視線を動かしている場合は、大丈夫です。相手は、熱心にあなたの話を聞いています。しかし、どことなくチラチラと左右に視線を走らせている様子では、あまりあなたの話に関心がないようです。そう、思いきって、話題を変えてみましょう。
商談のレストランで思い出しましたが、食事をする時に、「大きなフォーク」を使って食べると、案外、食べる量が少なくてすむらしいことが、心理学の研究で分かってきました。もしも、ダイエットをされているのなら、ぜひいちど、試してみてください。
最後は蛇足になりましたが、いかがでしたか?短いエッセイですが、あなたの何かのお役に立てば、この上なく喜ばしいことです。ぜひ、ご利用ください。どうもありがとうございました。心より感謝申し上げます。
行動心理学アラカルト3 かとうすすむ @susumukato
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