ようこそ、異世界で始めるご褒美生活へ

天風 繋

RUN1 白昼夢

ある日、僕は熱中症で体調を崩し、木陰で休憩をしていた。


真夏の炎天下。


ランニングウェアに、キャップをしていたのだけど真夏日のランニングは堪える。


ランニングポーチには、ドリンクとスマホが入っている。


僕は、スポーツドリンクを口に含み呼吸を戻していく。


手首に付くスマートウォッチが振動する。


バイタルのアラートかな。


あはは、少し無茶したみたいだ。


そして、僕の意識は途切れた。



真っ暗な空間を僕は延々と走っていた。


不自然なほどに静寂している。


足の疲れを感じない。


辺りを見回すと、他にも何十人かの男女が走っていた。


年齢もまちまちのような気がする。


やがて、スマートウォッチが鳴動すると僕の足が走るのを止めた。


僕は、スマートウォッチに視線を移す。


「100リワードを獲得しました」と文字が表示されていた。


リワード?ご褒美ってことだよね。


僕は、スマホをランニングポーチから取り出した。


スマホの形状に違和感がある。


よく見たら、スマートウォッチにも。


僕がいつも付けている物じゃない。


いつ、こんなデザインの物に変えただろうか?


いや、それ以前にこれは僕のスマホなのだろうか。


弄っているとディスプレイが僕の指紋で開いた。


僕のスマホらしい。


ディスプレイには、見慣れないアプリがいくつかあった。


その一つ・・・ランニングしている人がアイコンのアプリに「①」と通知があった。


僕は、そのアプリを開いてみることにした。


「ようこそ、異世界報酬リワードへ」と表示されていた。


ディスプレイをタップする。


すると、表示が変わった。


ようこそ、異世界報酬リワード


あなた達が今いる場所は、初心者説明チュートリアル会場です。


次のページで選択された異世界ワールドへ転送されます。


異世界であなた達がすることはただ一つ冒険をして地図マップを作成することです。


作成度合いにより、特別報酬ボーナスリワードが付与されます。


また、街やランドマークを発見された場合も重要度合いによって特別報酬ボーナスリワードが付与されます。


報酬リワードは、様々な返礼品アイテムと交換することができます。


ただし、元の世界に戻ることはできません。


進む道はあれど、戻る道はあなた達にはありません。


なぜなら、あなた達は死んでしまっているのです。


異世界ワールド移動される場合は、新たな肉体に命を吹き込みます。


希望がありましたら、容姿変更キャラメイクも可能です。


容姿変更には、100 R《リワード》消費で常に行っておりますが初回限定無料で行えます。


なお、異世界ワールド移動に伴い、能力値パラメータを付与させていただきます。


詳しくは、専属天使ナビゲーター取扱説明書ヘルプを表示してもらってください。


では、楽しい異世界報酬リワード生活をお送りください。


By 創造神

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