その3

アインス:まずは動く前にカイの回復かな。【キュア・ウーンズ】を行使するよ。

GM:了解。ちなみにこのダンジョンでは、一つマスを移動する度に10分までの自由行動を可能とさせてもらうけど、行使が一瞬の魔法についてはいつでも使えるよ。初っ端から戦闘になってルール説明を忘れていたね。

ホーン:じゃあ、マスを移動しないと魔香草が使えんのじゃの。

GM:そういうこと。

アインス:行使は成功で……9点回復。ちょっとしょっぱい……。これはもう一回かな。……13点!

カイ:よし、全快だな。

カイ:「ありがとうアインス」

アインス:「ううん、これが神官の役目だからね」

ホーン:「これはまたアインスに草を焚かんとあかんのう……」

リヴィ:じゃあそうしてる間に周りとか見える?

GM:そうだね。君たちは上に行ったから、君たちから見て左の方には宝箱が見える。右には今のところ何もなさそうだ。

リヴィ:よーし、宝箱へダッシュ!

アインス:「あっリヴィ!」

カイ:「お転婆だな……」と苦笑するか。

ホーン:「あれで何回かかる必要のない罠にかかりおったことか……」

ホーン:こっちは呆れてるの。


GM:それじゃあ、左上の部屋の描写だ。そこには鍵のかかった宝箱がある。けど、罠も用意されていて解除には骨が折れそうだね。鍵解除の目標値は11、罠解除の目標値は13。鍵、罠の順に振ってもらうよ。

カイ:よし、スカウト用ツールで開けるとするか。

GM:2回判定どうぞ。

カイ:「慎重に行かないとな……」

カイ:一回目は……13。鍵は開いたな。二回目……17。バッチリだ。

GM:えらいね。では中には……宝石がいくらか入っている。金額に換算すれば4000ガメル程度で、分け合ったら一人1000ガメル貰えるね。一応言うけど、ここで分け前を増やすために戦うのは不毛だからやめておくように。

ホーン:ほーい。

カイ:「お、宝石だな。かなりの額入ってるぞ!」

リヴィ:「え、宝石! やったー!」

アインス:「は~。これで無事帰れば、今日のご飯にありつける……」

ホーン:「本当にの……」

GM:では自由行動。ああ、言い忘れていた。このダンジョンには明かりがあるから松明は燃やさなくていいよ。

カイ:了解だ。

ホーン:じゃあアインスに魔香草じゃ。持っているやつを使わせてもらうでの。

アインス:うん、お願い。

ホーン:薬師道具セット使って……9点回復じゃ。

アインス:MP27点。多分もう大丈夫。

ホーン:じゃあ次からはリヴィじゃな。

リヴィ:はーい。

カイ:じゃあ、そのまま下に進むか?

ホーン:おっけーじゃ。


GM:では真ん中左の部屋。ここは特になにもないよ。自由行動だけだね。

ホーン:じゃ、リヴィのMPの回復じゃな。薬師道具セットで……8点じゃ。

リヴィ:ありがと!

ホーン:あとはカイに一回、わしに一回使って打ち止めじゃな。魔香草も金がかかるしの。

カイ:了解。

アインス:じゃあそのまま下に行こうか。


GM:では左下の部屋に行けば、誰かがいるよ。

カイ:「ん?」

カイ:まあ、警戒しつつ近づくか。

アインス:そうだね。

アインス:「もしかしたら、先にここに来ていた冒険者とか……」

ホーン:右に同じくじゃ。

リヴィ:私も近づく~。

GM:では、見立て通り冒険者の一行のようだね。殆どが息絶えているけれど、気絶しているだけの冒険者……人間が一人いるね。

???:「う……」

カイ:「おい、大丈夫か!」

カイ:確か、応急手当判定ってあったよな?

GM:レンジャー器用で振れるね。目標値は7。

カイ:ホーン、頼んだ!

ホーン:任された! ……11!

GM:えらい。それじゃあ、10分の手当をして、彼は起きることができる。

アインス:その間に死亡している冒険者を中央の部屋に移動させることは可能かな?

GM:許可するよ。

アインス:簡易的にお祈りを捧げようか。聖職者クレリックでもあるし。

カイ:俺も手伝おう。


GM:では、二人が最後の冒険者の遺体を運び終わったところで、彼が目覚める。

???:「……ぅ。……確か、僕らは蛮族に襲われて、それで……」

リヴィ:「あ、起きた!」

ホーン:「ふぅ……生きていてよかったの」

アインス:「ここで倒れていたのを、僕たちが見つけたんだ。残念だけど、他の仲間は……」

???:「……そう、ですか」

???(以下セヴィア):「……僕はセヴィア・トラモントと言います。神官として、この迷宮の調査に来ていました。……僕だけでも助けてくださり、ありがとうございます」

カイ:「いや、こういうのは助け合いだからな。君はギルドに戻って報告をすると良い。仲間の死体は入口付近に運んである。あとの仕事は俺たちが引き継ごう」

セヴィア:「……そうするのが良いとは分かっているんですけど、あの」

セヴィア:「……同行、させていただけませんか」

アインス:「理由は?」

セヴィア:「……あるかもしれないんです。この迷宮に、僕の父さんを見つける手がかりが」

セヴィア:「事情は後で説明させていただきたいんですけれど、僕は父さんを探していて。父さんがこの迷宮に入ったことがあるって噂で聞いたから、だから」

リヴィ:えーと……どうする?

ホーン:怪我人は足を引っ張りかねんが……。わしとしてはついていかせてもいいと思うぞ。

アインス:僕も。メタ的に言ってしまうけれど、本人がいないとフラグ立たないとかありそうだし……それに、PCとしても断りたくはないかな。

カイ:俺も断る理由がないな。

リヴィ:じゃあついてってもいいって感じで!

ホーン:「わしは、足さえ引っ張らなければええぞ」

リヴィ:「パパのこと心配なんだね! 私は大丈夫だよ!」

アインス:「神官なら後ろで待機していれば大抵の攻撃は届かないと思うし、良いんじゃないかな」

カイ:「じゃあ、決まりだな」

セヴィア:「……ありがとう、ございます」

GM:では、セヴィアが仲間になる。フェローと言う形で処理させてもらうから、よろしくね。

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