夏を刻む。

胡蜂

序章

あの日、公園のベンチに落ちていた、椿。


光る大輪の花を眺め帰り道で見た、アガパンサス。


夢に出てきた、黄色の薔薇。


隣の家の小学生が育ててた朝顔。


あなたが誰にも見せなかった不安、黄色のユリ。


模試の会場で拾った、ネリネ。




青空の下であなたと拾った、貝殻。


気分転換の、もみじ。


涙で滲んでしまった、水面。


誓った後夜祭、キャンプファイヤー。


何度も握ったあなたの応援、お守り。




日常から非日常その全てを収めた、カメラ。


密かに誓った、指輪。




ペラ―――


指輪が写った写真のページから、まだ何も写真がないページへと移る。

3人が写った写真をアルバムへとしまう。

そして。


パタン―――


アルバムを閉じてタンスへとしまった。

私は目を閉じて横になる。



思い出す。

眩しかったあの日々を。

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夏を刻む。 胡蜂 @suzume15

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