青春リベンジ‼︎

ユキハラチウヤ

事務的な質問と感情的な回答

Q.これから幾つか質問をさせていただきます。答えたくないものでも、出来得る限りお答えください。

A.拒否権なしか。ボカすのは?


Q.個人情報に関するものや、なにか不都合がある場合に限り構いませんが、基本的には話していただきます。他に何か確認したい事項はありますか?

A.あっそ。……こちらでも、“出来得る限り”答えるように努力するよ。


Q.ご協力に感謝致します。……それでは、お名前と年齢、それから健康状態について教えてください。

A.あー、依田よだ藤吾とうご。歳は今年で二十七になる。健康状態?まぁ、……悪くはない、かな。


Q.良好ではない?

A.可もなく不可もなく。あるだろ、そういうの。


Q.なるほど。では、学生時代は部活動に所属していましたか?

A.ああ、書道部だった。


Q.賞を取られたりは?

A.ないね。なんとなくで入ったから。


Q.友人は多いですか?

A.別に。浅く広くより深く狭くが理想。……多くはない。


Q.学生時代に好きな異性、または同性はいましたか?

A.あー、まぁ。いたけど……それがなに?


Q.その人とは付き合っていましたか?

A.分かってて聞いてるだろ……Noだ。


Q.学生時代の自分に不満はありますか?

A.あったとして、それを解消する術なんかないだろう。……なんなんだよ。……んだよ。あー、ハイハイ。不満しかないですよ。


Q.苛立っているようですが、それはなぜ?

A.この問い自体が不毛だからだ。いつまで答えさせる気だ。


Q.すみませんが、もう少しお付き合いください。……戻れるなら、いつに戻りたいですか?

A.マジでなんなんだ……あー、いつに戻りたいか?そうだな。高校……いや、入試だな。俺は高校の選択を間違えた。


Q.なぜそう思うのですか?

A.なぜ?……まぁ、自己実現とか、そういうものをあの高校では得られなかったから、かな。


Q.なるほど……それでは、最後の質問です。もし、貴方の望む時代へ戻り、今に至るまでの全てをやり直せるなら、貴方はそれを選択しますか?

A.そんなの、無理に決まってるだろ。なに?十五歳の俺に戻してくれるのか?やれるもんならやってみろ。もし出来るなら……そうだな。その選択はアリだな。

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