言葉よりもパンチ
@death31
たまたま目に止まった
この話は私が実際に目にした内容。謂わば感想文。暴力的描写はありますが助長目的ではございません。了承の上、貴方の暇潰しに見て頂けたら幸いです。
この時は、とある駅の中でのことだった。ほんの数秒の間で終わる出来事。それだけでも相手のココロの内。本性を見た気分で妄想が広がって腹の中で私は、緩やかに口角を上げた。
改めてとなるが世界的に見てもランキング上位に入るレベルの利用者数を誇る駅中でのこと。時間帯は大体、18時前後だっただろうか。丁度退勤時間に当たり、皆足早に家路へ向かう最中…流れに従って私も比較的に普段よりも足を速めてホームへ向かっていた。そんな中、私の隣を更に足の速い若めの女性が通り過ぎた。更に前にいる親子連れの内の母親の隣を通り過ぎた。けれど、それを少しばかり失敗した。通る際に母親の腕にぶつかってしまう。故意ではなさそうだが謝罪無しでスタスタとそのまま通り過ぎた。それに対し、母親は沸騰したヤカンの如く、その女性のぶつかった二の腕へ軽く拳を当てた。ついで言うと中々のスピード。しかし、それすら女性は無視をしてそのまま去って行った。大勢が歩く中で私の耳には届かないが、顔を見る限りでは母親は子供の手を引いたまま、ひたすらに文句の言葉を言っていたと思われる。間も無くして子供の後ろを歩いていた父親が隣に並び、何故か少し笑いながら「どうした?」と尋ねた。父親に対し、母親はそれを思うがまま伝えたであろう。その後に私は自分の乗る路線方面へと向きを変えて親子を視界から消した。
話はこれだけ。文字にするとそこそこかも知れないが現実では、ほんの10秒弱程度のことだった。けれど、この時間が私にとっては新鮮で恐怖の瞬間だったのだ。地元では中々に見られない人と人との嫌な瞬間を目の当たりにした。
私からしたら同じ穴の狢かも知らないと思った。もし違うなら申し訳ない。私のとんだ勘違いだ。
しかし反対側に握る手には自身の子供がいた。まだ5歳辺りの男の子の様に見えた。自分の子供を護る為に拳を奮ったのならば、まだ良いかも知れない。母親として立派と思われるかも知れない。だけど私からしたら恐ろしい光景だった。今でも私は子供の頃に体験した親の暴力的行動は、しっかりと頭の中に鮮明に覚えている。例え親本人が覚えていなくとも子供にとってはトラウマに近いこともだってありえる。ただ願うのは前を向いて歩いていた子供の目に止まっていなければ良い。親に対して恐怖心を抱いて私の様な嫌なココロを持たないで成長してほしい…と。因みに子供のリアクションは何もなかった。前を見て歩いていただけ…だったと思う。私の嫌な妄想に過ぎた話かも知れない。又は母親の暴力的行動は普段からなのか慣れてしまった恐れもあるのでは?と。言葉よりも先に手が出ていたので、可能性はあると感じた。その拳を今回は女性へ当てたが、どうか子供へは…勿論、他者にも暴力を振るうのはよろしくないのだが。
父親も父親な気がした。怒っている奥さんに向けて笑っているのは何故か。やはり日常茶飯事なのかどうか。いや、笑っていたのも私の見間違いかも知れない。とにかく母親へのサポートをしてあげていたなら。その笑いが怒りを収める行動であればそれで良い。
視点を変えてぶつかってきた女性の方。勿論、ぶつかってきた女性が悪い。これは変わらない。しかし何も謝りもしないまま通り過ぎるのは駄目だ。仮にその女性に病があったとしても駄目なものは駄目と私は思っている。それとも気付かなかっただけなのか。真意は分からないけれど、一言謝るだけでも少しは展開が違ったかも知れない。しかし、言葉よりも先に手が出てしまう人間が相手だと逆に何か訴えてくるのか。また嫌な妄想が私の中で捗ってしまう。けれど拳を受けてまで通り過ぎる剛鉄のココロを持っているのだけは尊敬する。あの拳は嫌でも気付くだろうが全くそちらへ目線を向けていなかったので、ぶつかってきたな…という軽い気持ちで受け取った可能性もゼロではない。また誰かにぶつかっても何も言わないのだろうか。仮にも相手が明らかに危険な人物であっても、それを貫くのか…いや、そもそも近付きもしないか。とにかく下手なことに巻き込まれなければと…もう少しだけ人を思うココロを持って行動してくれれば、それでいい。
話は以上。よく人を行き交う場所を利用する人間からしたら、こんなのは日常茶飯事かも知れない。だけど少なからず私からすると哀しい場面を見てしまったと少しココロを病ませる原因の一つになった。そして私も同じことをしない様に気を付けて行動しようと学べた。
先程、同じ穴の狢と言ったが…何となく伝わっただろうか。深い意味は決してないが私からしたら両者が同じに見えた。無論、反感は買うだろうが私一個人の感想だ。
蛇足だが言葉よりもパンチ…どこかのキャラクターが言っていた。とても有名なお巡りさんがね。
どうか少しでもココロにゆとりのある行動を。
終了
言葉よりもパンチ @death31
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
日々の風景記録、もしくは雑談 最新/プラセボ
★9 エッセイ・ノンフィクション 連載中 35話
共依存という名の甘い毒/ぬーん
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
近況完全網羅備忘録/詩川
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 46話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます