第23話 関八州補完計画発動!


正太郎の政と玲子覚醒による『関八州補完計画』なるロンギヌスの槍・・・なる次の一手。



軍師玲子から洋一に、洋一から正太郎に、二年以内に佐竹による侵略が始まるという風雲急を告げる知らせを受け、正太郎は父である資胤と相談し、何度も侵攻を繰り返し行う佐竹をこの際徹底的に懲らしめる事を決意する親子であった。



資胤は密かに対策を練り、正太郎も天狗を使い、佐竹領の情報を得るべく鞍馬を忍ばせる一方、政として田の収穫の結果が出た事に、資胤より新たに4つの村を頂き、計、五ヶ村1200俵が例年見込まれる村を頂き、五公五の那須家配分により、これまで通りの計算では、年間600俵が正太郎の収入となった。



石高にすると1石が2.5俵計算で年間240石である、試験的に例年約35俵取れる田んぼに塩水選で42俵とれたのである、現状は碌に肥料などには工夫が無い中では約20%増加した事は大成功である。



新たな方法を翌年に一気に五ヶ村で例年1200俵取れる田んぼに広げる事を行う事になったのである。

計算上20%、1440俵であり、240俵増えた分の半分120俵は村人に増加分を渡せ、正太郎には720俵の288石が収入となり、田の収穫について成功させる事したのである。



正太郎が先ず佐竹侵攻に対して事前対策として行ったことは。


1、新型『那須五峰弓』を多く揃える事。


 2、佐竹領の情報を掴む為に鞍馬を忍ばせる。


 3、田の収穫増を図る。(正太郎の村と平家の里にて、平家の里では例年200俵程度の少量)


 4、椎茸の栽培成功を祈る。(原木に既に菌を植えており9月末現では未成功)


 5、間もなく6才になる、午前は体を鍛え、午後は読み書き中心の勉学。


 6、その他寝しょんべんの克服・・・である。



その頃、令和の洋一は玲子とPCでやり取りしながら、玲子からの指示による現場確認行い、既に指示がないと動けない、勝手に動くなと、なぜ軍師に相談しないのかと愚痴を言われ、玲子の尻にひかれ、すっかり立場が逆転した日々の中、仕事と家の農作業を手伝い、間もなく収穫の秋目前という感じあった。



玲子の生活は、洋一と出会った事により、歴オタの生活は一変したのである、時々大きい声で部屋から聞こえる声。



「やったー、これだ、うぁーこれじゃ撤退だ、よしこれで城を取れる」



「あとは兵糧はどうするか」



という声が漏れており、父が妻に、最近の玲子は部屋から出てこないし、変な声を発生しているが、大丈夫かと聞くのであった。妻曰く。



「あの今成洋一さんと付き合ってから何かに取り憑かれたみたいでいつもあんな調子なのよ」



うむー、だからと言って年頃の娘だし、変に注意すると嫌われるかも知れないからもう少し様子を見る事にした父であった。

そんな中、玲子が出かけたので、妻と一緒に部屋を覗いたのである。



部屋を開け唖然とする父と母・・・・



ベットの壁に大きい地図が、それも栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県が掛かれた地図が一面に、天井には模造紙一枚に大きい〇が書かれており、丸の中に書かれた横に━というマークの模造紙。



椅子の背に半纏のようなひっかける服、背中に大きい〇に━棒が書かれている。

(陣羽織と思われる)


所々に侍のフィギアが置かれ何かを作成している。(ジオラマ的な合戦の物)

机の前の壁には、歴史の年表と色々な所に付箋と印、奥の窓の上には横断幕が・・・



横断幕には、『関八州補完計画』我は勝つ、軍師玲子 と書かれた横断幕が、洋一の写真も壁にあり、洋一のやる事と書かれたメモ書き指示が。



 1、各地の古地図を集める事。


 2、火薬の作り方。


 3、ライフル銃の構造を調べる。


 4、蒙古が使用した てつはう という別の武器を調査。


 5、迫撃砲の構造を調べる。


 6、時々甘い物を軍師玲子に必ず献上する事。(最重要課題)




 何も言わず・・・・・玲子の部屋を無言で立ち去る父と母。渋い顔の父、血の気を失ったな顔の母。(何か事件が、大きい事件が計画されている、大弾幕の関八州補完計画って、なに)



玲子の事は暫く忘れようとする父親と母親であった。



玲子の覚醒・・歴オタは時に歴史を専門とする大学の教授より特化したある関心事には絶対に誰にも譲れない一線があるのだ、そもそも戦国と言うキーワードは玲子が完全支配する分野であり憧れのスターがキラ星の如くいるのだ、特に真田幸村は彼女が最も愛する武将であった。 



そこへ洋一と言う青年と出会い、幸村が存在する時代に具体的に自分の持っている、知識が生かされる事に寝る暇を惜しんで、那須家の事ではあるが、自分の戦略を歴史に生かせる大チャンスが迷いこんだのである。


 幸村と同じ時代の中で自分の姿は戦国に入れないが正太郎を通じて、幸村と同じ時代にいられる事に大きな幸せと、私の軍略で勝つという使命感の日々に突入し覚醒していくのであった。



玲子・・・


 ①那須家はコメの収穫を増やすには農民を、移民政策で増やし底上げすれば5万石程度の現状から20万石は見込めるはずである。


 ②那須家には塩を得る道がどうしても必要だ。


 ③佐竹は強敵である、どこかと軍事同盟が必要だ。


 ④椎茸が成功してもそれだけでは限りがある。


 ⑤北条の手が伸びる前に佐竹を攻略し、この10年間で全てが決まる。


 ⑥佐竹を叩かないと史実、正太郎の父、資胤が亡くなり、正太郎が当主になると佐竹と宇都宮が連合で攻撃してる。



現状で資金を必要としないで打てる手は・・・近隣諸国の大名の弱点を調べるも、その弱点に付け入るにはどうしても単独では無理という結論に達した玲子である。



そこで次なる目標は③で掲げた軍事同盟を結ぶ事が最善であると、将来的に敵になる可能性が低い大名とである。



先ず那須家の居城は那須烏山城である、那須という名前が、那須高原の那須山に近い所とイメージがあると思うが那須家は領国が大変に広く、烏山城は宇都宮市を正面に見て東側に25キロそこから北に10キロという近い位置にあり、そこから、直線距離で東側26キロに佐竹の居城の常磐太田城があるのだ、早朝から行軍すれば1日で着く、足軽を含めても1日半で付く距離と言う、隣なのである。



隣にいる敵、佐竹に狙われ易い場所であり、佐竹から見れば目障りな所に那須家の居城、烏山城がある、石高の小さい那須は佐竹から見れば、どうぞ差し上げますという、狼の前にいるキジの様な存在である。



玲子が導き考え出した軍事同盟先は、ずばり、小田家、という大名である。小田家の立場は那須家にとても似ている、むしろ共通点が多いと言っても良い。



1、佐竹家に定期的に攻撃されている。佐竹から那須→小田→那須→小田 という感じで一方が終われば、またこちら、こちらが終わればまたあちらである。


2、石高が通称7万石、那須家は最大で7万石である。

(作中では5万石を基準にしてる)ほぼ同じ。


3、小田家もいずれ改易となる。

(秀吉に小田原参陣が遅いとの理由で那須家と改易になる)


4、近隣大名が皆大きい、ぽつんと一軒家状態。



この小田家と軍事同盟をする事で希望が見えてくる、那須家と敵対した事は無い、隣地同士の大名では無かった為に交流はそれほど無く、小田家も屋形号の資格ある八屋形、那須家とは同格の大名となる。 



小田家と同盟すれば地理的に佐竹を上と下で挟める事が出来る。



同盟した場合、那須家に侵攻中は小田家が佐竹を攻め込む姿勢を見せてけん制する、小田家に侵攻中は那須家が佐竹を攻め込む姿勢を見せれば確実に佐竹の動きが弱くなる、場合によっては両家で佐竹家を挟撃すれば面白い展開になる。



軍師玲子は、この戦略により小田家と軍事同盟すべく、洋一に指示したのである。



 戦略とは、点と点を線で結び、面として捕らえ、三次元の目、俯瞰した目で史実には無い戦略を考え編み出すことである。




 次回、軍事同盟編・・・かな?




 そうだ、忘れていたが今成家について、私が以前調査した内容って、洋一さんに結局伝えてかなったけど、特に続きを聞かれてないから、放置でいいよね、聞かれた時に・・・それまで放置する玲子であった。




関八州補完計画の初手が軍事同盟と言う、戦局を大きく左右する計画になりそうです。次章「神童と神童1」になります。

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