第2話 初めての戦闘

 洞窟の入り口は5メートルほどの高さと横幅があり、相当な広さがある。

 レッサースモールドラゴンが翼を広げると2メートルほど。

 かなり余裕のある空間だ。


 リュウトたちが入り口に着くと、そこにはコボルトが10体が中を伺うように立っていたのだ。

 しかしリュウト達を確認すると戦闘態勢になり、武器を掲げだした。


「あいつら戦う気だ!みんな、やるしかない!」


 ゴブリン・レッサーウルフ・レッサースモールドラゴンはやる気になっているが、スライム・ボーンバットはそうでもない。

 スライムとボーンバットに対してレッサーウルフが励ましているようだが、あまり耳を傾けられていなかった。


 リュウト達の準備は出来ていないが、コボルト達は既に準備が出来ている。

 それを待つようなコボルト達ではないので、棍棒を片手にすぐに襲い掛かってきた。


「みんな、もう来てるから!」


 戦う意欲のあったゴブリンとレッサースモールドラゴンは、我先にと敵の中に突っ込んだ。

 もちろん2体だけで10体もの敵を相手に出来るはずもなく、時間が経つごとに身体に傷が増えていった。


「助けないと!」


 リュウトは何の武器も持っていなかったため、拳を使ってコボルトを殴る。少しはダメージが入っているものの倒せるほどではない。

 リュウトにも傷が増え始めていた。


 それを見ていたレッサーウルフとボーンバットは、リュウトを助けるために戦闘に加わる。

 スライムも遅れて攻撃をし始めた。


「みんな、ありがとう!必ず勝とうな!」



 ゴブリンはリュウトと同じように、コボルトを殴ったり蹴ったりしている。しかし倒せるほどの威力を出すことは出来ない。

 レッサースモールドラゴンとレッサーウルフは、体当たりや噛みつき。これもダメージは入っているが、倒せるほどではない。

 スライムはコボルトの顔にまとわりついて、窒息させている。これはコボルトを倒せるが、他のコボルトによって剥がされてしまうため倒しきることは出来ていない。

 

 それぞれの力の強さはコボルトよりもわずかに高い。しかし数の差というのは大きく、拮抗していた。それにはリュウトも気づいている。


(今のままじゃ、俺達の体力が持たずにやられてしまう・・・。スライムに助けが入らなければな・・・そうだ!)


 リュウトは思いついた事を、すぐに仲間に伝えて動き出す。


「スライムが一体のコボルトにまとわりついたら、他のコボルトが手出しできないように守るんだ!これで一体ずつ確実に仕留める!」


 全員が快く同意をしたわけではないが、倒すためならと仕方なくリュウトの作戦に乗った。

 指示通りスライムがコボルトの頭にまとわりつくと、リュウトを含めた他の仲間が周囲を守り、近づけさせなかった。


 こうして確実に数を減らしていき、ついにコボルトを倒しきることが出来たのだ。

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