第2話 織姫、謎の転校生を不審に思う。

うちの学校に転校生が来た。

男子生徒である。


そんな話は全国探せば何処にでもあることは分かってる。


でも、本題はここから。

問題は、彼の容姿だった。

先生いわく、彼は純日本人。

彼-丘星清理は漆黒の髪をもつ、

しかし、何故かそれに対して透き通るような美しい碧眼へきがん(青い目)をもっている。


もちろん、女子の反応から分かるように彼の顔立ちは、モデルのようだ。

遠目から見ても肌のきめ細かさがうかがえる。女子よりも、肌綺麗じゃん。

そんなことを呑気に考えていると、、、。




「う゛、、、ぁ゛、、」


口から私のものでないような声が出た。


[苦しい]今までで一番辛い。

苦しい。


息、ができない。


夢を見た後のようだ。

[胸が締め付けられるような]という表現では物足りない。

胸が張り裂けそう。


『誰か助けて!』

そう心の中で、助けを呼ぶしかない。


でも、[懐かしい]。

と感てしまうのはなぜだろう。


ヤバい。意識が飛びそう、、、。


とりあえず、

前方に屈み、少しでも楽な姿勢をとろうとするがうまくいかない。


仕方ない。保健室に行こう。


「先生、、、。気分、が優れないので、保健室、に、、行って、いいですか、、、?」


早くあの人-丘星清理から離れなきゃ駄目だ。

『今すぐ離れろ』というように、時間を追って息苦しさが増していく。

本当に、心臓を握り潰されているようだ。

うまく酸素が身体中に行き届かなくて、頭も回らない。


「ああ。いいぞ。というか、顔色悪いぞ。大丈夫か?誰か付き添わせるか?」


この先生、すごくいい先生だ。

でも今は、その気づかいは正直いらない。


『今、この状態を誰かに知られてはいけない。公にしてはいけない』

そう本能に告げられたような気がした。


「だ、、大丈夫、です、、、」


先程から息切れしているのを隠そうとするが、上手くいかない。

早く、早く教室から離れなきゃ。


「そうか、ゆっくり休んでこい。あんま無理すんな」


その先生の言葉を、もうろうとする意識の端の方で聞きながら教室を出て保健室へと向かった。


保健室に着きベッドに横になったから、というよりは教室から離れたことにより、だいぶ体が楽になった、、、。


ということは、やはりあの体の異常は、あの[丘星清理]のせいだろう。


あの人は、何者なんだ?

強力な電磁波でも出していたとか?

いや、そんなわけ、ないない。

もし、そうだったら周りに居たクラスメイト達も体調が悪くなるはずだよ。


じゃあ、何なんだ?


、、、、、。



考えるだけで気分が悪くなる。

この件は、とりあえず保留にしよう。


考えなきゃいけないときに、考えればいい。




[後の事は、未来の自分に任せよう]




そう思い、私は保健室のベッドに身を預け、

そして、、、


目を、閉じた。


そういえば、あの人、私の方見たとたん凄く驚いて、その後すぐホッとしたような顔してたけど、あれ、何だったんだろう。

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