俺、転生前から超能力持ってたらしいっす

しし

第1話 意味不明

新しい担任の先生がやって来た

色黒で、背の高い見るからに熱血みたいな人だ

榊原珠生さかきばらしゅう

(前の先生の方ままが良かったな~)

と心の中でつぶやく

そして、前の先生とのお別れ会のときの事を思い出す


(回想始)


クラスの一部は泣いていた

先生も終始泣きそうな顔だったのを良く覚えている

泣きそうな顔のまま、先生は最後のホームルームをしてクラスみんなで写真を撮り、下校した

きっと、みんなその日は先生の話をしながら帰っただろう

実際、俺も能登のとが休んでなければ先生の事を話しながら一緒に帰っていたと思う


20分ほど自転車を漕ぎ家に帰り、ご飯を食べ、お風呂に入り、すぐに寝た


次の日はいつもより少し早く起きた

窓からは、湿気を多く含んだようなじめじめとした嫌な風が部屋の中へと吹いてきていた

顔を洗い、リビングへと行き、ご飯を食べながらテレビを見る


そこには、海にぽつんと浮かび人口数万人ほどが住む島が異常なスピードで燃えていく映像が写し出されていた


炎は島をまるごと飲み込んでいた


そして、上空のヘリコプターのカメラからは俺が二年間通い続けている見慣れた高校が崩れ落ちていくようすが捉えられていた


(回想終)


(え?)

(なんで高校あるん?)


ニュースを見てから、三日経っているが誰かがこの話をしているのも聞いたことがない

なんなら親にも聞いたが

「頭大丈夫?」

と聞かれる始末


今、クラスのみんなは新しい先生の自己紹介を聞いてるところだが俺はそれどころではない

そんな状態の俺でも気づくくらいにあり得ないことが目の前で起きた

熱血ゴリラ新担任の手のひらから火が吹いたのだ


(自分の目がおかしいのか)


そう思って周りを見渡すと、みんな驚いた表情を浮かべていてほっとした


まぁたぶんマジックだろう…


その割には半袖だし、かなり大きな炎だったが


その後は特に何もなく授業をし、いつも通りの生活を送った

ただ、三日前のニュースのことは頭から離れなかった

授業が全て終わり、帰ろうとした時今日も能登がいないことに気づいた


(帰る時に能登の家寄ってこうかな)


そう思い、帰り道能登の家に向かって自転車を漕いだ


ちなみに、能登とは小学校からの友達だ

今も仲良くしている


じめじめとした暑さのなか自転車を漕ぐ

まだ、外は明るい


気づけば、小さな川に架かる橋を渡り、すぐ右にいけば能登の家というところまで来ていた


すると、前から子供たちが走ってくるのが見えた

かなり横に広がりながら、橋を渡っている

仕方なく、橋の前で自転車を降り、自転車を押しながら歩いた


橋を渡ろうとしたその瞬間、辺りは真っ暗になった

しかし、足元からの異様な明るさを感じた

橋は燃えていた

そして、凄まじい足の痛みとともに一気に炎に飲み込まれ、意識を失った





それから、俺はまるでゲームセンターにいるようなうるささで目を覚ました


頭を上げて前を見る

そこには大きな袋を持った人たちがたくさん歩いている

というか人ではないかもしれない

犬のような耳や尻尾がある


後ろを見ると、レンガのようなもので作られた大きな丸い噴水があった

俺は、その噴水を囲うように作られているベンチに座っていた






















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俺、転生前から超能力持ってたらしいっす しし @hara123456

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