115話 戯れ
「助かった」
アリア達に支えられて降りると展開したラクルが城を丸々と囲う様にして土柱が出現させる。柱で囲う様に結界が構築されて俺達ごと黄泉を捕らえた。
「……ふむ」
黄泉は結界を一目見ると地上に降り立つ。そして手を翳すと黄泉の門から魔物達が現れるのが止まった。
「何のつもりだ?」
「貴様達の涙ぐましい努力に些か辟易と感心を覚えただけだ。このまま磨り潰しても構わんが興が湧いた」
黄泉はそう言うと虚空から剣を取り出す。毒々しい剣身からは見てるだけで憑かれるのではないかと思えるほどの邪気が溢れている。
「戯れだ。貴様達の土俵に降りてやろう」
そう言って剣を構える。アリア達に目配せすると四人は頷いて構えた。
先陣を切って走る。刀を上段から振り下ろしたが剣で受け止められるも直後にアリアとラクルが左右から攻撃した。
黄泉は後ろにバク転して二人の攻撃を避けながら刀を蹴り上げる。アリアとラクルがすかさず追うが着地してラクルに剣を振るうとアリアに手を翳した。
「“火は消える”」
「え!?」
「“
黄泉の声が響くと同時にアリアが纏っていた焔が消える。続けて放たれた言霊がアリアをふき飛ばして壁を突き破るほどの衝撃となった。
直前でセレナが水の結界を割り込ませていたが意に介さぬとばかり脆い音を立てながら突破された。
「ちっ!」
ラクルと共に黄泉に武器を振るう。二方向から振るわれる刃を黄泉は身のこなしと剣だけでいなしていた。
ラクルが振り下ろした斬馬刀の上に黄泉が浮き上がる様にして降り立つ。すかさず振るった刀を黄泉は跳躍して避けると樹の矢が肩に刺さった。
シュリンが立て続けに数本の矢を放つ。更に黄泉の周囲を囲う様に水の檻が現れで逃げ場を塞いだ。
「“水木は枯れる”」
黄泉に迫っていた矢が一瞬で朽ちると同時に水の檻が消え去る。黄泉と鍔迫り合いとなるが剣から呪詛の波動が放たれてふき飛ばされた。
ラクルが斬馬刀を縦横無尽に振るう。だが黄泉は迫る刃を避け続けてラクルが上段に構えたところで踏み込んで鎧に触れた。
「“土は荒れる”」
触れた箇所を中心に鎧に罅が入っていく。ラクルはすぐさま後退しながら斬馬刀を真一文字に振るうが黄泉も後退して手を翳していた。
「“礫死せよ”」
「がはっ!?」
鎧の罅を中心にラクルが不可視の力でふき飛ばされる。その間に
「この程度か」
「それはどうかな? “
巨大剣に闇が集まる。幾多もの武器が集まって巨大な樹の如き刃を形成すると力の限り振り下ろした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます