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第17話 地味な実力者！？「槍」を解説！分類から実践、ワイバーン討伐に挑戦！（ワイバーンのハツ刺しは現場で食べる珍味）

はいどーも！ ダンジョンやす田チャンネルの、ダンジョンマスターやす田です。

剣で攻撃するには、少し遠く、弓矢や魔術で攻撃するには、ちょっと近い。

そんな時に活躍するのが槍使い。広い間合いと鋭い突き、チャージといった特性で、痒いところに手が届く縁の下の力持ちです。

「短剣」「投擲」と続いた武器紹介シリーズ、今回は槍を紹介したいと思います。

冒険で使いやすい槍の分類、実際に使用しての討伐をお見せしていきたいと思います。

それでは、行ってみましょう。

ダンジョンに挑戦しに来た冒険者パーティの名簿を見ながら、武器や職業の分類をしてみると、剣や斧、こん棒、杖に比べると、槍をメインを使っている冒険者は少ないですね。

これはダンジョンマスターとして、槍の使い手にもっと増えてもらうべく紹介していかないといけない！

……と、わがダンマスチームの精霊使い兼槍使いである垂飯降くんがうるさいので、今回の動画にすることにしました。

はい、ということで、チーム共用の倉庫から持っている槍を何本か出してみました。長さ、刃渡り、刃の形状など、こう見るといろいろと個性がありますね。

「槍」とは、正確には長柄武器（ポールウェポン）と呼ばれる、棒状の長い柄と、その先に付いた刃物で構成される、一群の武器類の中の一種です。歴史は古く、石器時代から使われる由緒ある武器ですね。

細かく分類するとものすごく種類がありますが、基本的にダンジョンに入る際に装備していくものとしては、全長が約２～2.3メートル、刃先が15～30センチほどのものが選ばれます。それよりも長いと持ち運びに不便だし、取り回しも難しくなります。逆にこれより短いと、槍としての利点が薄くなってしまいますね。

使っていく長さを決めたら、次は穂先を選びます。基本型は真っすぐな両刃で短剣型ですが、刃の根元から枝分かれした三叉型、厚みを持たせて切れ味を持たせた笹の葉型などもポピュラーですね。

自分が持っている槍は短剣型と三叉型ですね。三叉型はさらに十字の形になっていたり、刃の根元に象眼などの彫り物がされて、特殊な機能を持っているものなどもあります。

自分の三叉槍は、特に何の機能もありませんが、三つの切っ先がすべて真っすぐ正面を向いているので、突きの威力が出せます。その代わり、振り回したり叩いたりにはちょっと向かない形ですね。

先に言いましたが、槍には単純に突き刺す利用の他に、振り回す、叩きつけるといった使い方があります。これは他の手持ち武器より圧倒的に長い間合いを活かせる、槍の利点の一つですね。

さらに槍には「チャージ」と呼ばれる攻撃方法があります。槍を脇に挟むように構え、両手で柄をしっかりと保持します。この姿勢で穂先を当てたい方向に定めて走り出し、体ごと相手に当たるものです。自分の体重と、運動のエネルギーを、槍の一点に集中させるこの攻撃は、非常に強力です。

もちろん欠点もあり、その構成上、躱されると大勢を立て直すのに時間がかかり、大きな隙を作ることになります。また、十分な威力を出すためには、それなりの間合いがないと使えないので、接近戦に持ち込まれると、使いたくても使えません。

そもそも槍は威力のある代わりに場所を取り、かつ、基本的に両手で使うので、少数人数のパーティでは、盤面によっては手数が足りなくて危険な状況に陥ってしまう原因となる可能性があります。

現在の冒険者は、だいたい3～4人くらいの構成でダンジョンに潜る方が大半で、これで1～2人が槍を使うと、残りのメンバーと隊列を合わせて行動するのが難しくなるという欠点もあります。

これらの欠点を補うための方法として、ギリギリまで短くした槍を、パーティメンバー全員が装備するという方法があります。これなら狭い場所で連携が取れなくなることもなく、隊列を固めて戦うことができるはずです。

それでは、今回はこの三叉槍を使って、討伐をしてみたいと思います。討伐するのは、ウィルダネス・ダンジョンでポップしたワイバーンです。

ワイバーンは下位のドラゴンの一種で、ブレスなどの特殊な攻撃はできませんが、翼があって空を飛び、鋭い爪と牙、場合によっては尻尾に毒の針などを持っている、大変やっかいなモンスターです。

「ウィルダネス・ダンジョンやす田」では中ボスとしてワイバーンが単体で出没するエリアを用意しています。１～２パーティ（約６～７人）での討伐を想定していますが、今回はソロで討伐してみたいと思います。

ワイバーンがポップするのは、風の精霊が集まりやすい場所です。今回では、ポップしやすくするために岩場を作り、そこに以前紹介した精霊を集中させる印や仕掛けを仕込んであります。

ポップしたワイバーンは岩場を住処に、近くの獲物となる下位のモンスターや冒険者を求めて周囲の上空を徘徊します。だいたい、上空数十メートルから百メートル以下で飛んでいるので、遠くからでも視認しやすいです。

ワイバーンはドラゴンと言ってもいわゆる魔法を持っているモンスターではないので、実はそれほど高く飛べないんですよね。逆にいわゆるレッドドラゴンのような、ブレスを吐いたり魔法を使ったりできるドラゴンは、より高高度を飛ぶ機能を持っています。うっかり背中に張り付いた状態で飛び上がられたりしたら、ほぼ、詰みです。

ちなみにワイバーンの飛行能力は自重を持ち上げるのでギリギリなので、背中に乗りかかられると飛べなくなります。獲物もその場で食べられるだけ食べるので、つかまって巣に持ち替えられるという心配はありません。

岩場に、ちょうどいい、身を隠せる場所を見つけました。ここから見えるのが、ワイバーンの巣です。踏み固めた足跡や、揃った小石などで盛り上がった箇所、吐き戻した食事の痕跡や溜め糞などから見つけることができます。

槍を磨いて待機しましょう。

垂飯降「どういう作戦なんですか？」

やす田「食事をして帰ってくるはずだから、ワイバーンは体が重くなってる。そうすると一度地面に降りると飛び上がるのに時間がかかるようになるから、地面の上で戦える」

垂飯降くんが風を読んでいると、風向きが変わって、うっすらと生臭い空気が感じられました。

どうやらワイバーンが食事を終えて、巣に戻ってくるようですね。垂飯降くんといっしょに隠れ場所に身を潜めます。

しばらくして、岩場の影を低空で滑空しながら、ワイバーンが入ってきました。お腹の辺りが膨らんでいるので、やはり食事をしていますね。

着地姿勢を取って地面に降りるのが見えました。ワイバーンはいわゆる前肢が翼になっていますが、指の痕跡が一部残っているので、着地時は翼を含めた四足で着地します。飛ぶ時は地面を蹴って羽ばたき、風を捉えて上昇します。

魔法がない大型モンスターが空を飛ぶのは、本当に大変ですね。

巣の中に潜ってワイバーンがお腹を地面につけて休もうとしています。今がチャンスです。

ワイバーンの弱点である胸の上部、大胸筋の下にある複合心臓を狙います。ここが傷つくと全身の血流が滞って、羽ばたきや足の蹴りなどに使える筋肉に十分な血液が送れなくなります。

やす田「チャージします！ うおおおー！」ﾄﾞｶﾞｯ

垂飯降「おおー……」

雄たけび（バトルクライ）を上げて威力と集中力を高めるのは戦闘で使える小技ですね。槍の先はうまくワイバーンの臓器を貫通しました。

チャージが決まったら、素早く間合いを取ります。このとき、槍が抜けない時があります。その時は潔く手を離しましょう。槍にこだわってもたもたしていると反撃を受ける恐れがあります。

槍は戦闘後に回収しましょう。

この後は「やす田の剣」を使って戦います。既に複合心臓をやられているので、ワイバーンの動きは鈍くなっています。飛び上がることもできないので、振り回す尻尾や翼、噛みつきなどに注意して、肩や股、首筋など、失血を狙える部位を中心に攻撃します。

ここで調子に乗って、部位破壊をしようと大立ち回りしたくなりますが、ここは岩場で、あまりこちらも動き回れるスペースがないので、今回はやりません。部位破壊はロマンがありますが、ソロ討伐ではやっている暇があまりないですね。

はい、ワイバーンの討伐に、成功しました。垂飯降くんに記念写真を撮ってもらいましょう。

垂飯降「ハイ、チーズ」ｶｼｬ

やす田「いえーい」

この後はドロップ品の回収と、槍も忘れず回収しましょう。特に槍はチャージすると柄が曲がっている場合があるので、きっちりメンテナンスしましょう。自分はこの後、梶くんに点検してもらいました。

それでは討伐ができたご褒美に、新鮮なワイバーンの刺身を食べます。刺身と言っても表面に霜降りをした、半生ユッケ的な食べ方ですね。

鮮度のいいワイバーンの心臓がこちらです。一抱えほどの大きさですが、形は鳥の心臓によく似ていますね。この心臓の周りにある、ピンク色のぶよぶよした帯のような器官が、複合心臓です。

捌いていきましょう。心臓から複合心臓を外し、心臓を適当な大きさに切り分けます。切り分けたら、表面の膜を外し、内側の心室内にある膜も外します。

内側の膜は外さなくても問題ありませんが、外した方が口に残らない、舌触りのよいものが出来ます。

こうして捌いてとれたワイバーンの心臓の肉がこちら。あれだけの大きさがあった心臓から採れる肉が、ほんの少しです。しかも内臓は死亡してからどんどん劣化していくので、まさに採れたて新鮮でないと食べられない、贅沢な肉ですね。

この肉を沸騰したお湯の中に潜らせます。だいたい、表面がうっすらと白くなったら引き上げ、薄切りにします。

完成です。今回はシンプルに、醤油で食べましょう。

いただきます。……うん、これはいいですね。既存の食べ物だと、マグロの赤身に近いかもしれません。マグロの赤身をより肉に寄せて、ぎゅっと濃縮させたような、うま味があります。これはワサビがきっと合いますね。

撮影をしてくれた垂飯降くんも、美味しいと言ってくれました。

垂飯降「この前のバンブー酒とか合いそう」

やす田「ああーいいね」

この後、ワイバーンの骨と爪、牙を回収して、無事帰還しました。ワイバーンは下位とはいえドラゴンなので、特に牙は必ず回収しましょう。

はい、今回の動画は以上です。最後までご視聴ありがとうございます。

槍の分類と討伐、いかがでしたか。垂飯降くんとしてはもっと槍を推していきたいそうです。自分としては、たまに使えるように、一本くらい手元にあるのは便利だと思います。やはりチャージの威力は魅力的ですしね。

自分たちはG県M市、T市でダンジョンやす田というダンジョンをやっています。G県には、多彩なモンスターや採取ポイントをもつダンジョンがたくさんあるので、もしG県に来た際には色々挑戦してみてください。

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