私たちの自己紹介は、身体を交えた後でした 【完結】
白メイ
私が恋に落ちるまで
第一章 あの日交わった君と
第1話 クラスメイトだったなんて…
「では自己紹介をみんなにはしてもらおうかな、えっと…出席番号一番の相沢美波さん」
「あ、はい!名前は
「あっ…」
先生に名前を呼ばれ、席を立ち、自己紹介をしながらクラスメイト見渡し、私は戸惑いを隠せなかった。クラスの真ん中、後ろから3番目の席にいる驚いた顔をした彼女と目が合ってしまったからだ。
クラスメイトの人はみんな初対面のはずなのに、その中に一人身覚えのある長い髪は軽くウェーブが掛かっており、少し茶色に染まった髪を後ろで上だけを結んでハーフアップにしている。紺色の制服と赤いリボンがよく似合っている彼女。
「相沢さん?どうかしましたか?」
「あ、いえなんでもないです…これからもよろしくお願いします」
先生に名前を呼ばれ、少し早口で自己紹介を終え席に着いた。私、相沢美波は高校初めてできた友達は…多分もう…
*****
入学式前日、私(
「今日からここが私の憩いの場になるのか…」
上京したてで碌に電車の乗り方もわからずスマホを駆使し、何とか無事目的地にたどり着いたシェアハウスは母の友人が管理している少しこじんまりした感じのお家だった。荷物はもうすぐ来るということだったので管理人さんから母経由で頂いた鍵を使い中へ。
中は外から見るほど狭くなく、共有スペースのほかには防音設備のついた個人の部屋が二つ、風呂場には、すこし大きめの足を延ばしても余裕のありそうなバスタブ、トイレは個別で一つ。特に個人の部屋が結構広く6畳クローゼット付き、元居た部屋はもともと物置として使っていた2畳程度のスペースで生活していたため、これはかなりうれしい。
「部屋が狭くて収納とか机とかテレビとか置けなくて寝るとき以外はリビングで過ごしてたっけ、これはだいぶ夢が広がりますなぁ…楽しみ♪」
これから住む家を軽く探索していると、インターホンの音がした。荷物が届いたようだ。そのあとは業者さんに荷物を運んでもらい、無事お引越しが完了した。あまり物を持っていなかったこともあり、白にピンク色の水玉模様の毛布のかかったベッドと少し大きめの白い本棚、部屋の真ん中には木のローテーブルがあるだけの結構殺風景なお部屋になった。
「これからいろいろもの増やしたいなぁ、可愛いものとか好きだし大き目のぬいぐるみとかあるといいかも♪」
ものが増えて自分の理想のお部屋を妄想しながら、空っぽになった本棚に本を詰めていた。ふと時間が気になり、スマホを見るとまだ午後4時を回ったところだった。
「もう一人のルームメイトは6時くらいに荷物が届くってんだっけ?じゃあ…まだ挨拶まで時間結構ありそうだよね。何して時間つぶそうかな…?」
一緒に住むルームメイトは荷物と同じくらいの時間に来ると言っていたので、顔合わせまで2時間ほどある。何をして時間をつぶそうかとベットの上でゴロゴロしながらスマホを弄り、ふと気づく。
「あ、そういえば実家を出て暮らすのって何気に初めてだし、ルームメイトさんと仲良くなれるかもわからないんだよね…」
初めてのシェアハウスで勝手がわからないまま、ルームメイトさんに迷惑が掛からないように配慮をしないと。とりあえず何か買うものは…
「何々?シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、洗顔料…なんとかかんとか、とりあえず消耗品は個別で持っておけってことかな?あっ…」
これからのことも考え、買う物を検索し始めた。大体必要になるのは消耗品が大半で今すぐにでも買っておいた方がいいものをリサーチしている途中、誤って広告に触れてしまった。
開かれた広告は18禁サイトだと一目でわかるようなものだった。あぁ、最近は準備や緊張でしてなかったなぁ。ふと時間を見た。
17:03
「まだ大丈夫だよね…」
そう自分に言い聞かせるように呟いて、身に纏っている物を床に脱ぎ捨て一糸纏わぬ姿でベッドに腰かけ、視線を下に向けた。右手が、自然とまだ成長途中な胸へと手を伸ばす。むにゅっという少しの柔らかさとあばら骨の硬い感触を感じる。
先端へ先端へと指を動かすと、さっきまでの柔らかさより硬くあばら骨よりも柔らかいものに触れた。最初は擦るように指で撫で、大切なものを扱うようにそれをつまんだ。
「んっ…」
声にならないような音を喉が鳴らした。右手で触れていたものが、指を押し返してくる感覚と先ほどよりも硬くなるのを感じた。右手はもう止まらない。左手はそれを追いかけるようにお腹に置くと、自然と下に落ちていく。ゆっくりと確実に…
「んっ…あっ」
ある程度左手が動くと声とリンクして動きが止まった。再び左手を動かす。今度は少し円を描くように。丁寧に…
両手の動きが少し早くなり、頭が少しずつ溶けていく感覚を味わっていく。体を支える力が弱まっていき、そのまま後ろに倒れこむように横になった。支える力が無くなったおかげか、刺激だけに集中できる。
左手に液体のようなものを感じる。でも、手は止められない。声も我慢できそうにない。
「んっ…んぁっ……ハァ…ハァ…」
体をのけ反るような形で、左手あたりが急激に熱くなる。力が抜けるようにベッドと体を預けた。白い天井が見える。呼吸が荒い。とその時…
ガチャッ
「こんばんは、はじめましーてっ…えっ?」
「っ…!」
扉の開く音とともに声が聞こえて、咄嗟に布団を掴み体育座りをし、声のした方から見えないよう布団を両手で掴んだ。私は俯いたまま、身体を震わせた。見られたり、してないよね…?もし、見られたら…
ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…
耳元で心臓の音がする。耳が熱い。かすかに聞こえるパタパタというスリッパが床を擦る音が近づいてくる。吐息のような音が左耳に聞こえ…
「ねぇ、手伝ってあげようか…」
次の瞬間、肩を強く押されベッドに横になった。また白い天井が見える。スルスルという布が擦れる音と、何かが床に落ちたような音がする。ベッドが沈み、視界が暗くなり唇に柔らかいものが触れた。
それからははっきりと覚えていない…
覚えているのは体のぬくもりと幸福感だけだった。
目が覚めるとまた白い天井。手を動かすとさらさらした物が手にあたる。寝返りを打つように右を向くと…
「おはよ…昨日は楽しかったね♡…美波ちゃん」
そこには、何も身に纏っておらずたわわと実った双丘、可憐で美しい茶髪の大人の女性が私を見ていた。うっすら覚えているような気がして思い出そうとするが出てこなかった。
「誰…?」
「あれ?自己紹介してなかったっけ?…私は…
「小泉…さん…?」
彼女はそう微笑みながらうんと頷くと、体を起こし時間を確認するようにスマホを見て、驚いた顔をしてそそくさと部屋から出て行った。どうしたんだろう?…そう思いスマホを見た。
「えっ!!!7時15分!!」
時間をみて、急いで体を起こした。学校は8時までに登校だ。やばい!急がないと遅刻するかもしれない…初日、遅刻なんてしたくない!
急いで制服を着て身支度を軽く済ませ部屋を出て共有スペースに出るが、今朝見た彼女の姿はどこにもなく朝ご飯を食べずに家を出た。
*****
そして今に至ると…
今朝見た、彼女はなんと大人の女性ではなく同級生だったみたいです。これから彼女とどう接すればいいのかと頭を抱える私。綺麗で大人っぽいから管理人さんかなと思っていたのに…。
「多分もう…普通の友達にはなれないよね…」
ぽつりと呟いた私の声は、ほかの生徒の自己紹介の声でかき消されたように感じた。
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