第15話 無力化



 薄ら笑いを浮かべた罪人は、セロに向け青い炎を放った。


 無力な少年は、灼熱の炎に身を焦がして倒れるはずだった。


 しかし。


「何だと?」


 セロは火傷一つ負っていなかった。


 驚く罪人。


 その罪人を、水の球が包み込んだ。


 いきなりの出来事にあっけにとられるセロの腕を、その場にやってきたネイが引っ張った。


「セロ! 無事でよかった! こっちよ」


 セロは、ネイに引っ張られて村の外まで走った。


 彼女は、セロを掴んだ方の別の手で小さな女の子を連れている。


 どうやら、村の女の子を助けて、逃げるのが遅くなったらしい。


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