第14話 不幸な出会い



 セロは、青く焼ける村の中を走り回っていた。


 外に避難した人の中に、ネイの姿はなかった。


 だから、家の裏手で鳴いていた飼い猫を助けたあと、燃えさかる村の中に戻っていたのだ。


「うっ、ごほごほっ!」


 青い炎に包まれた村の中は視界が悪い。


 身を焦がす炎と、むせる煙に苦心しながらも、セロはネイの姿を探していく。


「ネイ! どこにいるの? いたら返事をして!」


 不幸なことに、その出会いは起こるべくして起こったのだろう。


 村の中を走り回るセロが出会ったのは、ネイではなく村に火を放った罪人だった。


「なんだ、まだこの村の中に人間がいたのか。だが安心しろ、主は救済をのぞんでいる。愚かな人間であるお前も救ってやろう」


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